0ー1話 3年振りの目覚め
どうも神楽天翔です。
更新不定期になると思います。
先にお詫び致します。
目が覚めた。知らない天井だ。起き上がろうとするが、腕は力が入らないし、脚と言うか腰より下は感覚すらない。
左腕には入院患者がつけるような管がついており、カテーテルに繋がっている。
「____ぃぅ______ぁ⁉︎」
声を挙げるも、喉が渇いていて掠れ声しか出ない。どう言うことだ?
ここはどこで、なんでここにいるんだ?そしてどうして動けないんだ?
わからない事だらけでとりあえず憶えている直前の記憶を探ろうとした時、この部屋(?)の扉が開いた。
「兄ちゃん!起きたのか⁉︎」
「兄さん!起きたの⁉︎」
似た顔つきの男女が入ってくる。男の方は170cmくらいの細身の筋肉質。女の方は160cmくらいのモデル体型。こんな知り合いいただろうか。俺に対する呼び方からして………
「____ん______ぉ__ぉぁ?」
「ん?なんて言ったんだ兄ちゃん?」
「喉が渇いているみたいね。兄さん、はい水」
女の方が近くに置いていたコップに水差しの水を入れて飲ましてくれる。ゴクゴク………、はぁ喉が潤う。
「ありがとう。俊介と仄香なんだよな?」
間違ってはないだろうが、確認せずにはいられない。記憶の中にあるのは2人とも150cmくらいで中学に上がったばっかりだったはずだからだ。
「あぁそうだぜ兄ちゃん」
「3年も意識不明だったのだからそれも当然ね」
「3年?」
それから2人といろいろ話した。俺の疑問もだいたい解決した。
ここは自宅の俺用の部屋だったらしい。知らない天井だったのは、住んでいたアパートから一軒家に引っ越したかららしい。
どこにそんなお金がと聞いたら、両親の遺産と俺が家族のためにとバイトで貯めていた分で足りたそうだ。
3年前2人は中学に入ったばかりだったと言うことは、今は高校生のはず。さらに下の妹、朱里は中学生になるはず。
学校はどうしているのか聞くと、2人は通信制の学校で、俊介は経営科、仄香は看護科、朱里は普通に中学校に通っているらしい。
学費や生活費は、俊介が株の売買を、朱里が子役の俳優をしているらしく稼いでおり、かなり余裕があるようだ。その間仄香は家事や俺の面倒を見ていたらしい。
俺がこうなった原因は交通事故らしい。バイトの帰りに大型貨物トラックに撥ねられたと言う。俺がなかなか帰って来ないのでバイト先に連絡したところ、聞いたらしい。正直全く憶えていない。
途中で昼ご飯に(俺が目を覚ましたのは午前10時頃だったらしい)お粥を仄香に食べさせてもらったのだが、茶碗一杯分も食べられなかった。
夕方になったのだが、朱里を全く見ない。なぜだろう。
「俊、ちゃんと朱里に連絡したの?」
「あぁ、恭兄達連れて来るって言ってたから、そろそろだろ「ただいま‼︎」「邪魔するぞ〜」「お邪魔しま〜す」………ほら」
噂をすれば影とはこのことか。急いで駆けてくる足音が4つある。……………4つ⁉︎
部屋に入って来たのは末妹の朱里、幼馴染の桐山恭哉と恭哉の彼女でこれまた幼馴染の東雲葵、そして3年前同じクラスだった一瀬結華______一瀬さんだった。
朱里と幼馴染カップルはわかる。なぜ一瀬さんがいるんだ?
たしかに一瀬さん狙いで告白し、撃墜されていったバカ共よりは仲良かったとは思うが、友達の友達みたいなものだったはずだが………
最初の話ですが主人公は一回も名前が出て来ませんでした。
メインキャラ紹介でちゃんと出すので安心してください。