27話: 特に何でもない日常回2
少し短めですし、あまり身のある話ではないですが御容赦ください(。-_-。)
18時にもう1話投稿予定ですが、そっちはちゃんと本編です
※この物語はフィクションです
翌日の土曜日。
クラスマッチの興奮も冷め、いつも通りの休日だ。
これは後に聞いたことなのだが、あれから澤井はと言うと、前に捨てた女子の何人かが先生に訴えたせいで、スポーツ推薦取り消しになったそうだ。
やったぜ。
今チーナは、俺の部屋のベッドに寝そべって漫画を読んでいる。
と言ってもすらすら読める訳では無いので、傍らに座る俺に度々読みや意味を聞いてくる。
『ねえヨリ……ここなんて読むの?』
『ん?そこは 「ウサギがいない!?」だな。うさぎってのは、"Кролик"のこと』
日本語を勉強しつつの暇つぶし。今読んでいるのは平仮名の多い漫画なので、比較的読みやすい。
俺はと言うと、ベッドの端に腰掛けてスペイン語の勉強中。
使える言語を増やすのは、俺の小さな楽しみだ。
最近はチーナにつきっきりだったり、アンジーに振り回されたりと忙しかったので、勉強はできる時にしておきたい。
勉強と言えば、前回の定期テスト。
詩織は相変わらずの学年1位。
俺も言語系科目はいつもほぼ満点なのだが、いかんせん理系科目で差をつけられてしまう。
こういう趣味的な勉強をそっちに回せば、もう少し成績は伸びるのかもしれない。
いつかやってみてもいいかもしれないな。
今アンジーは、色々な手続きの為に軍に出勤している。
明日にはまた出張に出るため、もろもろの手続きと確認だとか。
最近はアンジーの部屋に3人で集まることが多かったので、こうして俺の部屋にチーナと2人なのは久しぶりな感じがする。
そう思って後ろを見ると、仰向けに寝転がるチーナのシャツが少しめくれて、細い腹部がちらっと覗いていた。
ばっ!っと慌てて顔をそらす。
危ねぇ。最近麻痺してきてるけど、女の子と同じ部屋にいるって結構やばくないか!?
早くなる鼓動を抑えつつ、冷静さを取り戻すためにとりあえずチーナに話を振る。
『そ、そう言えばチーナ。アンジーがそろそろママって呼んで欲しいってぼやいてたぞ』
『え、ママ?』
チーナはページをめくる手を止め、漫画を小脇に置く。
『まあ心の整理とかあるだろうから難しいだろうけどさ、アンジーもずっと子供欲しがってたからな』
お互いを気遣いつつ話を進める俺、優しい。
『別に心の整理とかは大丈夫だけど、"アンジー"で落ち着いちゃってるし……』
『え、あぁそうなんだ』
俺も一旦参考書を閉じて、チーナに向き直……へそチラ☆ぬうううぅん無理!
にしても意外だ。てっきり両親を忘れられなくて、生理的にアンジーを母と呼びにくいのだと思っていた。
『ところでその、アンジーが子供欲しいって言ってたならさ……』
すると今度はチーナが、とても聞にくそうに質問をしてきた。
ん?どうしたんだろう。
『アンジーはさ、ヨリのお父さんが亡くなった時、ヨリを子供にしたいって思ったんじゃないの?』
『あぁ、それか……』
びっくりした。そんな事かと正直思ってしまったが、チーナにとっては勇気を出して聞いた事。ここはしっかりと目を……見れないのでオーラで誠意を示す。
『誘われたよ。私の子にならないかって。でも断った』
『え?どうして?』
驚いて身を起こすチーナ。
今度は俺もちゃんと目を見て、少し笑いながら話す。
『前に言ったろ?考えてる事があるって。まだそのための準備中。もう少しでいろいろ揃うし、それに……』
『それに?』
『あの時断って無かったら、チーナがここに来ることもなかったって思うと、後悔はないさ』
そう言って、チーナの頭に手を置く。
『そっか、そうだね』
チーナはそう言って、俺の手に自分の手を重ねてくる。
お揃いのブレスレットが触れ合い、カチャリと音を立てた。
どくんっと心臓が跳ねる。
そのまま一瞬見つめ合っていると、急に恥ずかしくなって、目を逸らしてしまった。
チーナも同様で、慌てて手を離す。
『は、腹減ったな。昼飯食いに行こうぜ』
『そ、そうだね』
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本当はF〇teネタもりもりのネタ回を書いたのですが、さすがに怒られそうだったので没に……
ただ、それで使ったちょっとしたネタをTwitterに載せました。
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