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よくある(?)転生

自分の妄想を文字に当てただけなので、あんまり期待はしないでください。(そもそもしないか。)

  夏、梅雨が過ぎ太陽の光が痛いほど強く、アスファルトからの熱気が目に見えるようになった頃、俺は通学中に交通事故に巻き込まれた。即死はしなかったが当たりどころが悪かったため、間もなく死んでしまった。まさか自分が交通事故で死ぬとは思わなかったが、毎日色んな理由で人は亡くなっているから運が悪かったといえばそれまでだ。

  だけど、だけどなぁ、剣やら魔法やらの異世界に転生なんてなろう系だけだろ!



  俺は、アルケイド・セイルーン。こちらの世界の名前だ。前世では和泉修一というどこにでもいそうな名前だった。ただ、この世界の名前は発音がそうであり、文字は全く別ものだ。この世界、不思議なことに発音が全て日本語のみである癖に文字はひらがなでもカタカナでも漢字でもない。そもそも言語が共通することなんてあり得るのか? 異世界だというのに。だけどまぁそのおかげで文字を読むのも意外と楽だったのだが。

  俺は動くのもつらかった全身の痛みが引いていった時は死を感じ、死にたくない、死に別れが辛すぎるとか、普段の集中力以上にいろんなことが頭を周ったが、それすら少なくなってついに意識を手放してしまったとき、気づいたら3才ぐらいの子どもの体になっていた。

  この世界の両親を見、全く違う文字を見、外の景色を見てようやく自分が転生したと気づいた。3才の体で19歳の意識、まるでコ○ン君だが、俺より親の反応が凄かった。そりゃあ、まだ3才の自分の子供が完全な意識を持っているのだから。テーブル越しに両親にまだ回りにくい呂律で何とか説明した。終始頭に?マークが浮いてたが、俺は記憶があってもあなた達の子だと言い、父も母も理解は難しかったが受け入れてくれた。

  この体での生活はとてつもなく大変だった、というか今5歳の体でもまだ慣れない。おねしょはしてしまうわ、呂律は回らないわ、指先が上手く動かせいわ、精神的につらいものが多かった。


  そしてこれからは教え処、つまり学校に通うことになる。俺が生まれたこの村はルツミ村といい、5歳から村の知識ある大人に耕作、魔法、剣術を中心に生きるのに必要な知識を教えてもらうそう。だが、一つ転生系ではあるまじき欠点が俺にはあった。

  魔法が使えない。

  本で読むとどうやらこの世界は魔力というものがこの世界全体の大部分を支えていて、人の体を通すことで魔力に命令を与えられ魔法となるらしい。もっとも俺は魔力の器といういわゆるMPがとんでもなく低いみたく、指先に火をつけることもできない。

  そしてもう一つきつい欠点、俺は武器音痴である。小さい荒削りな剣や槍、はたまた斧などを持ってみたがギャグアニメ、ゲームバグよろしくとんでもない挙動をしたりと、どんなに意識してても武器を扱えなかった。

  結果として、学校は払う授業料相応分払う作物を少なくしてもらい、知識の授業だけを受けることとなった。

 

  そして、納得してくれたとはいえ魔法も使えず、剣も使えず、記憶がある俺を自分達の子だと思いなくいのか、今年母が妊娠した。弟か妹どちらでもいい、両親、いやあの人達は自分のできる子が欲しいのか、妊娠を聞いた時にはどうしても自分がいらないのではないかと思えてしまった…。



  そして迎えた学校初日、俺の魔法と武器音痴のことは既に村全体に伝わっており、子どもたちの俺に対しての対応はかなり別れた。バカにする子も勿論いた。といっても俺は精神だけとはいえ20を越えてる訳でそんなのは別にどうだってよく普通に接した。それより、この世界がどうなっているのか、どんな国が存在しどんな文化なのか、俺は新しいこの世界に対しての知識欲が溢れに溢れまくり、初日から先生をしてくれてる大人に突っかかってしまい、自分が5歳であるということを改めないとと反省している。


  知識の授業しか受けない分、帰りは他の子と比べ早い。その分畑を手伝い、受けてない授業の勉強と運動をする。子どもだからか、やる気がこみ上げてくるしやることも娯楽もないから、結局頭か体を動かさないと気がすまない。


  子どもと一緒になるのもバカバカしく思えて、あまり深く交流せず帰りも早いため、自然と一人になり特に話すこともなく、数年。10歳になり今年で学校も最後なため、年に一回の豊穣を祈る祭りに合わせ、筆記テストと木剣の試合でどの子が一番優秀か決められる。 

  このことを親に話すも弟のことを気にしており、やはりどこか他人事のように聞いている気がする。弟は4歳になり親の愛をこれでもかというほど受けていた。まるで初めて生まれた子みたいに。

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