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RAIN  作者: ヒユウダイ
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第1話

ジリリリリリリリ!!!

宝石店のブザーが真夜中に鳴り響く

エアー「へへ!チョロいもんだな!」

宝石店から大量の金を袋に入れた男が姿を現す

ブーン

そこに一台の車が到着した

中に乗っているのは強盗の仲間だ

キーン…

「ん?」

それに乗ろうとしたとき妙な音がこちらに近づいてきている事に気付く

そして後ろを振り向こうとしたそのとき

レイン「うっらあ!」

バッキィッ!

雲に乗った覆面の男に突如、殴られる

エアー「ブフッ!」

ドサッ

レイン「よお、エアー!今日もご苦労だったなあ!お疲れちゃん!」

エアー「レイン…てめぇ…いつもいつも俺の邪魔しやがって…」

「くたばれッ!」

殴りかかるがかわされる

レイン「甘い!」

バッキィッ!

強烈な蹴りが顔面に入る

エアー「ブフッ!」

ドサッ

レイン「なあ?お前もいい加減こんな事辞めてまともに働いたらどうだ?なんだったら俺がいい仕事見つけてきてやるぜ!そうだな…ピザ屋なんてどうだ?お前にはピッタリだと思うぜ!」

エアー「ざけんじゃねえ!」

自身の特殊能力で口から火を吹くエアー

だが…

ザーッ

エアーの上空に出来た小さな雲から大量の雨が降る

ポタッ…ポタッ…

レイン「火を吹く能力なんて恵まれたもん持ってるくせして、もっとマシな火は吹けないのか?ライター使った方がまだマシだと思うぜ」

エアー「くそ…!」

バキィッ!

エアーを殴り飛ばし、倒れ込んだところを捕らえる

ガシッ

レイン「よ~し、それじゃ、牢屋まで行くとするか!なあに、安心しろ!最近の刑務所の飯は旨いらしいぞ!」

エアー「知るか!放しやがれ!」

レイン「誰が放すかよ、大人しくしやがれ!」

バン!バン!バン!

車に乗っていた仲間達が銃を撃つ

レイン「うお!?うお!?うお!?あいつら撃ってきやがった!」

エアー「はっはっは!詰めが甘いぞレイン!」

思わずエアーを放す

レイン「あ!待て!おい!」

エアー「金は置いていってやるよ!じゃあな!」

ブーン

あっけなく車で逃げられてしまう

レイン「くっそお…でも金はなんとか盗まれずにすんだな」

ウーッ

パトカーが来る

レイン「これはこれは!警察官さん!ご苦労様です!お金はなんとか守りました!」

警察官「ああ、なんだ君か…はいはいありがとね」

パシャ!

カメラの音がした

レイン「あれ?君もしかして新聞記者?」

若い女性の新聞記者に食いつく

新聞記者「え、ええ」

レイン「おお!そうかそうか!それなら最っ高~の一枚を撮ってちょうだいよ!」

新聞記者「あ、ああ、はい…」

レイン「頼むぜ~!俺のカッコいいところをしっかり納めてくれよな!」

新聞記者「じゃあ…撮りますよ」

レイン「いえい!」

パシャ

~~喫茶店~~

「なんでだよ!!!」

バンッ!

新聞を机に叩きつける

カシス・アサルト「ズズッ…」

向かいに座っている男がコーヒーを飲む

ヒソヒソ…

レインに気付いた周りの人達がざわつきだした

男がコーヒーをゆっくりテーブルにおく

コトッ

「ふ~、静かにしろよ…ここ喫茶店だぞ?叫ぶ奴がいるか」

レインが昨日の強盗事件の記事を大声で読み上げる

レイン「レイン、またも犯人を逃がすだあ!?おかしいだろ!!金はちゃんと取り返したんだぞ!?なんで他の奴は逃がしたとしても感謝されんのに俺は批判されなくちゃいけねえんだよお!!しかもなんだよこれ!!店のガラスが割れていたが弁償はしなかっただあ!?割ったのは俺じゃねえっつうの!!」

「ったく俺だけ扱いが酷すぎるぜ!!他の奴と何が違うってんだ!!」

カシス「まあ…好感度だろな…」

レイン「俺は正義の為に戦うスーパーヒーローだぞ!?どこも悪くねえだろ!!」

カシス「そういうところだろ…」

レイン「おい、お前はどっちの味方なんだよ」

カシス「ん?」

レイン達の席の窓に向かって何かが飛んでくる

ガッシャーン

それは人だった

客「キャーッ!?」

自ら飛び込んできたというよりは誰かに投げ飛ばされたようだ

レイン「おお…こりゃまたずいぶんと派手なご来店だこと」

割れたところから別の男が店に入ってくる

サイラー「邪魔するぜ…」

そう言ってテーブルの上に乗るとレインを睨み付けた

「お前がレインか?」

レイン「ああ、そうだが、何か用かい?出来れば手短に済ませてもらえるとありがたいんだがな」

サイラー「なあに、安心しろ」

ガチャ

銃を引き抜きレインに向ける

「もう用はねえよ」

咄嗟にテーブルの下に潜り込むレイン

バキューン

間一髪で銃弾を避けテーブルを蹴りあげた

サイラー「クッ!」

よろけた男に鋭いパンチをかます

バッキィッ!

サイラー「へ…けっこうやるじゃねえか」

レイン「いきなり銃で撃ってくるなんてずいぶんと野蛮な野郎じゃねえか、てめぇ一体誰だ?」

サイラー「俺はサイラー…エアーの兄だ」

レイン「あいつに兄がいたのか…」

サイラー「お前のせいでうちの弟はいつも手ぶらで帰ってくるんだ…辞めてもらおうか…舐めたことすんのはよお…」

レイン「そうかそうか!そいつは悪いことしたなあ!謝るから許してくれ!」

サイラー「謝罪なんかで済むような問題じゃないんだぜ…こいつはよお…」

バン!バン!バン!

銃を放つ

レイン「ウォーターバリア!」

水で銃弾をガードする

サイラー「なに?」

レイン「これが俺の能力、水を操ることが出来るのさ」

「気体や個体にすることだって出来る」

「こんな風にな!!」

シュッ!

水のボールをサイラーの顔に投げつける

サイラー「な!?」

水が顔にかかり、視界を奪われた

レイン「うらあっ!!」

隙の出来たサイラーに向かって強烈なアッパーをかます

サイラー「ぐふっ!」

「野郎…」

シュルルルル

ガシッ

サイラーの手から出た紐状の物がレインを捕らえる

レイン「な!なんだこりゃ!」

サイラー「コード…これが俺の能力だ」

ギシッ

締め付けるサイラー

レイン「うッ!これ結構きついぞ!やばい!さっき食ってた物が!おい!カシス!見てないで助けろ!」

カシス「はいはい、これぐらいお前一人で何とかなると思ったんだがな」

上着を脱ぐカシス

両腕にブーメランが付いたスーツが姿を現す

ジャキン!

シューッ!

ブーメランを投げるカシス

ズバンッ!

サイラーのコードを切る

サイラー「チッ!お前がブーメラン使いのカシスか…」

カシス「ちゃっちゃと片付けるぞ」

レイン「あいよ」

サイラー「ふん…てめぇら…絶対に生きて返さねえぞ…」

シュルルルル

サイラーが近くのガソリンスタンドや灯油タンク、コンセントにコードを伸ばす

レイン「何してんだ?あいつ」

カシス「分からねえがそのままにしておくのはまずそうだな」

「いくぞ!」

サイラー「ふぅ~…」

レイン「うらあ!!」

殴りかかるレイン

シュッ!

素早い動きでサイラーがかわす

レイン「嘘!?速い!!」

ドゴッ!

レインに腹パンをかます

レイン「ぐはっ!!」

カシス「はああ!!」

カシスがブーメランを手に持ち、斬りかかる

シュッ!

シュッ!

が全てかわされる

カシス「嘘だろ…」

バゴッ!

サイラーの蹴りがカシスの顔に直撃する

カシス「ぐあッ!」

「完全に…甘く見てたぜ…」

サイラー「俺のコードはありとあらゆる物をエネルギーに出来る…周りを見ろよ…電気に灯油にガソリン…ここは俺にとって最高の戦場だ…!ここならエネルギーが尽きることはねえ…!」

シュッ!

見えなくなる程のスピードで襲いかかるサイラー

カシス「くそッ!動きが速すぎる!」

レイン「なあに、速いだけなら問題ねぇさ」

レインが雲を作り辺り一面に雨を降らす

ザーッ

サイラー「こんな雨がどうかしたかあ!?」

シュッ!

近づいてくるサイラー

レイン「ウォーターバリア!」

バキッ!

水のバリアでサイラーの攻撃をガードする

サイラー「チッ!…!?」

レイン「何か異変に気付いたか?」

サイラー「体が…重い…!?」

レイン「俺は別にロマンチックにしたくて雨を降らした訳じゃねえぜ?」

「これはお前の動きを止めるための罠さ、さっきも言ったろ?俺は水を個体にすることだって出来るってよ」

サイラーの身体に付着していた水が個体となり、動きを止めていた

サイラー「こいつ…!!」

レイン「少しはこの雨を警戒しておく

んだったなあ!」

「いくぜいくぜえ!」

背中に持っていた直方体のハンマーを全力で振り上げる

レイン「うっらあああッ!!!」

ガッシャーン!!

レイン「どうよ!俺の武器!魔死角(ましかく)は!」

カシス(長方形じゃねえかよ…)

「何だよ…それ…」

レイン「これか?山に落ちてたから拾ってきたんだ」

カシス「お前ってガキの頃、長い木の枝とかでけぇツララとか好きだったろ…?」

レイン「ああ!大好きだったぜ!なんで分かった?」

サイラー「はああ…ふざけやがって…!」

シュルルルル

コードをレインに向けて伸ばすサイラー

レイン「うおっと!へへ!どこ狙ってんだよ!ヘタクソ!」

かわすレイン

サイラー「…」

カシス「!?おい!!レイン!!後ろだ!!かわせ!!」

レイン「え?」

「うげっ!!」

サイラーが狙っていたのはレインではなく後ろにあった電柱だった

電柱を引っこ抜きレインごと引き寄せる

サイラー「捕まえたぜ…」

レイン「とんでもねえもん引っこ抜きやがって…」

サイラー「エネルギー全開で行くぜ…最後に自分がやってきた事を後悔するんだな…」

レイン「くそッ!!!」

サイラー「はああああッ!!!」

ドッゴン!!!

爆音のするパンチをもろに受けるレイン

レイン「うげッ!!」

カシス「レイン!!!」

ドサッ

背中にあった電柱をも砕く程のパンチを受け、レインが倒れる

サイラー「これで仕事は片付いた…がお前も死んどくか…カシス…」

カシス「はは…やめとけよサイラー…俺を殺したって何も良いことなんてないぜ…な?」

サイラー「そんなことはねえ…お前にも色々と迷惑してるんだよ…こっちは…」

カシス「待て待て!分かった!俺はもうヒーローを辞める!な?それでどうだ?」

サイラー「カシス…お前がヒーローを辞めたところで今までの事が全部無かった事にはならないんだぜ…」

カシス「待ってくれ!頼む!殺さないでくれ!ホントに頼む!この通りだ!」

サイラー「命乞いか…俺みたいな奴に簡単に頭を下げるんだもんなあ…安いもんだな…お前は…何もかも…」

カシス「ああ…そうさ…俺にはプライドも何もねえ…」

「いや…俺達には…かな!」

サイラー「何?」

ガーンッ!!!

レインが魔死角をサイラーの頭に叩きつける

サイラー「がはッ!!」

ドサッ

レイン「惜しかったなあ~、サイラー!俺は頑丈さも売りなんでね」

カシス「ナイス!レイン!」

レイン「さてと…こいつを警察に渡しに行くとしますか…」

パシャ!

後ろでカメラの音がする

レイン「ん?あんた新聞記者か?」

新聞記者「ああ…はい」

レイン「おお!そうか!良いところに来た!今こいつを倒したところなんだ!俺の写真も撮ってくれ!」

新聞記者「え…ええ…分かりました…」

レイン「イヤッホー、明日の新聞の一面は俺で決まりだな!」

カシス「まあ、恐らく…違うだろな」

~次の日~

レイン「なんだよこれ!!」

新聞を見て大声を上げるレイン

カシス「やっぱりな…」

新聞の一面に載っていたのはレインではなくカシスだった

レイン「カシスの活躍によってって…俺のこと全然書かれてねえじゃねえか!!ふざけんじゃねえよ!!」

「やってらんねえぜえ~!!」

~~~~~

暗闇の中、椅子に座る一人の男

バイキング「…」

男「バイキング様、新聞にサイラーがやられたとの記事が」

バイキング「サイラー…?」

男「いかがなさいましょう?」

バイキング「ふん…使えない男がやられただけだ…奴が捕まったところで何の影響にもならん…放っておけ…」

男「そうですか…」

バイキング「ちなみにだが…サイラーをやったのは一体誰だ?」

男「はい、新聞にはカシスと書かれているのですが…」

バイキング「カシス…ブーメラン使いの奴か…」

男「ええ…ですが」

バイキング「どうした?」

男「ここをご覧下さい」

新聞の写真の端っこに少しだけ写っていたレインの顔

バイキング「こいつは…」

男「そうです、レインです」

「サイラーといえどそう簡単にやられるような奴ではありません」

「私にはどうしてもカシス一人にやられたとは考えられないのです」

「ですがレインがいたとなれば…」

バイキング「納得…だな…」

椅子に深く座り直す

バイキング「奴には昔から世話になった…サイラーのことはどうでも良かったが…こいつがやったとなれば話は別…」

「覚悟しておけよ…レイン…」

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