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里帰りした猫又は錬金術師の弟子になる。  作者: 音喜多子平
第二章 岩馬
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暴露

短くてすみません


 卓袱台の上に不思議菜の花の味噌汁、ヨンマの塩焼き、血眼なまこの酢の物、大根の抜かず糠漬けが並ぶ。多少なり天獄屋の食材にも慣れてきたが、まだまだよく分からなない食べ物が多い。円さん曰く、どれもこれも酒の肴にうってつけの料理らしいが、飲まない身としては有難味は分からない。


 そうして全員が食べ終わった頃、紫がハッとした顔で言う。


「あれ? そういえば円君、お酒は?」

「飲まない」


 その返事に紫さんは思わず立ち上がり、その勢いのままに空中に浮かび上がってしまった。そして真っ逆さまになるとスカートを手で押さえながら円さんへ強めに問いただした。


「おいおいおいおい。これから出かけるってところだぜ? 雨が降ったりしたらどうするんだい?」

「清肝茶飲んだんだよ」

「…これはマズイな、槍が降るかも知れない」


 そう聞くと紫さんの顔は青くなり、まるでめまいを堪えるかのような格好のまま浮かんで行ってしまった。


「そういえば思い出したが、頼んでヤツはどうなってんだ?」

「ああ、ごめんごめん。まだ全部できてないんだ。あと一日二日で出来る予定だから、すぐ持ってくるよ」


 言いながら、さっきの芝居は何だったのかと言わんばかりにコロッと態度を変えて降りてきた。


「何か作ってるんですか?」

「店で出す肴で燻製を少しな。紫の作る燻製は絶品なんだよ」

「へえ、燻製ですか」

「そりゃあもう燻製だったら任せておいてよ。何しろボクは煙の妖怪『煙々羅』だからね。煙に関わる事なら何でもござれさ」


 素の会話の流れで出てきたのでうっかり流してしまいそうになったが、紫さんはとんでもないカミングアウトをしていることに気が付いた。


「…あ、あれ? いま正体を…」

「あ、そだねー。ままま、細かいことは良いじゃない」

「軽いなぁ」

「煙だからね☆」

「こいつは教科書に載せたいレベルの悪例だ。絶対に真似すんなよ…というか人間に気を使わせるなよ」

「円君は妖怪みたいなものだからね」

「どういう意味だ、コラ」


 と、円さんのツッコミが入ったところで朝食がお開きとなった。


読んでいただきありがとうございます。


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