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黒板バナナ(仮)と一言多い先生。

さて…どういうわけかといっては失礼かもしれないけど


「やったね零ちゃん」

「あぁ…一緒のクラスだね」


非常に不本意ながら私、天野 零はこのキラキラ収集家であり残念な幼馴染である水田 雫と同じクラスになってしまった。

別に一緒のクラスでも構わないのだが…

構わないのだけど…


「その成金みたいな格好どうにかならない?」

「え?これ結構シンプルでいいと思うんだけど…」


純白のワンピースに錬金術で純金と白金を織り込んだモノがシンプルでいい?

それに加えて左手の薬指以外の指全てにシンプルなデザインの金かプラチナのリングがしてあるし、シンプルなデザインのネックレスもしてる。


たしかにデザインはシンプルだよ?

だけどさ……


「いや…そこまで光ってたら派手だよ?」

「そうかな?これでも地味な方だと思いますです。」


こ、これで地味?

雫…あなた美術の評定1でしょ。


「もしかしてセンスないかな?美術の評定は5だったんだけど……」

「マジ?」

「うん。そうだけどどうかしたの?」


そういえば先生も成金装束に身を包んでいたなぁと思っただけだよ。


さてクラスに入ろう。


半開きになっている教室のドアを開ける。


「零ちゃっ、あっ…」


うん、知ってる。

今時黒板消しを扉に挟むひとがあるとは思わなかったし、その先に二段構えでバナナの皮が置いてあるとも思わなかったよ。


とりあえず黒板消しは


「ププッ…ゴフェっ!?」


うん、私知らない。

ちょっと頭の上に落ちてきた黒板消しをどけようと思ったら少しばかり念動が滑った。

悪意はないとは言い切れないが反省はしてません。

バナナも同じやつでいいか。


ペチつ


バナナがあいつの頭の上にかぶさった。


すまない黒板バナナ消し。

あなたの汚名は私がなんとかしよう。


……やっぱそのままでいいや、自業自得だよ。

まぁお前が仕掛けた可能性が高いけど一応聞こう。


「お前がやったの?」

「ひっ……そ、そうです!」

「へぇ……」


さて、どうしてくれようか?

まぁどうもしないけど。


「そこに立って…」

「は、はい!」


え?ちょっと雫?


「はいジャンプ」

「は、はい!」


ジャラジャラ

あれ?もしかしてこれって…


「はい、出して」

「えぇぇぇ……」

「いいから出す」

「これからマジックをします」

「へ?は、はぁ…」


出てきたのは5枚の金貨。

なんで金貨なんて持ってんだよ…

ちなみに貨幣制度は複製(コピー)の能力が発見されてから消えた。

その後は金貨、銀貨、銅貨、真鍮貨、鉄貨、アルミニウム貨で経済が回っている。

アルミニウム貨は1円、鉄貨は50円と100円、真鍮貨は500円、銅貨は1000円、銀貨は5000円、金貨は10000円だ。


50000円か…ま、まさか…雫やめろ!

それ以上は黒板バナナ(仮)がかわいそうだ。


「まずは両手で金貨を5枚持ちます」


そう言って雫は金貨を両手で持つ。

というか周りの注目集めてるじゃないか…

特に黒板バナナ(仮)、お前目立ってるよ。

よかったね。きっと人気者になれるよ。

ちなみにこれらの貨幣デザインは一緒であり多少のサイズが違うだけである。

ちなみに金貨と100円の鉄貨は同じサイズであることが知られている。

さて雫は錬金術を使う……あとはわかるね?


「次にこの金貨を包み込むように持ち魔法を唱えます。『金貨よ金貨、鉄貨になーれ』」

「は?ちょっと頭おかしいんじゃないの?空間の歪みは感じなかったし…」


まぁ普通はそうだね。

空間移動系の能力はほとんどいないから…最もこのクラスは特進クラスであるA組。

多分いるでしょ。

そしてこの黒板バナナ(暫定)はその能力持ちらしい。


「はい、出来上がった貨幣がこちらになります」

「俺の金貨は?」

「この鉄貨ですよ?」

「ふ、ふざけるなよ!アポーツ!…なんで?!鉄貨がここに来るんだよ!マーキングはつけておいたのに!」


空間移動系の中でも座標系だったかぁ…

使い勝手悪いタイプの能力かぁ。

というか雫さんや…それ自分の鉄貨にやってないよね?


「お前!何した?!」

「え?魔法?」

「なんで俺に聞くんだよ!」

「聞かれたからですよ?」


出たよ…雫の答えになってない答え返し。

たまにこれのせいで会話が続かなくなるんだよね…

本人はいたって真面目に答えてるつもりらしいから私はこの状態になったら基本的に会話の内容を変えることにしている。


「いや、だから、金貨をどうやって鉄貨に変えた?」

「なんで教えないといけないですか?」

「そりゃ……えぇ……とりあえず元に戻せよ!」

「めんどくさいです……一枚変えるごとに金貨一枚くれるならやります」

「その金貨を持ってないんだよ!お前のせいでな!というかそれだと俺が損するじゃないか!」

「?……あなたのせいだと思いますです」

「いや、そういうことじゃないんだよ?」


すっかり雫のペースじゃないか…


「はい、手品は終わりですありがとうございました」

「俺の金貨は?」

「それですよ?49900円は見世物料金です」

「高っ!ぼったくりじゃないか!」

「そうですか?そうでもないと思いますけど」


まぁたしかに錬金術という能力を見せるのは普通じゃ絶対しないからね。

むしろ安いんじゃないの?

まぁ大人しくしてなよ、黒板バナナ(暫定)君。


「このっ!」

「先生はさ、暴力はいけないと思うんだよね。後処理めんどくさいし」


黒板バナナ(暫定)が手を上げようとしたところに透明な障壁が現れた。

そして教室の入り口で大量の荷物を障壁に乗せて現れただるそうにしている中年の男性。


「島津君だっけ?能力は…固定座標移動(マークテレポート)か…いい能力持ってるのに犯罪者になったらダメだよ。先生にめんどくさい仕事が回ってきちゃうからね」


それにしてもこの先生、一言多いな。


「いやこいつが俺の金貨を鉄貨に変えたんです!」

「へー…いい能力を見れてよかったじゃないか。まぁ大人しくしてなさい。これから教材とか配るから。早く座ってー。先生は残業は嫌だからね」

「先生、信じてくださいよ!」

「…座ってください。後から話は聞きますから。時間があればですが。」


うん、一言多いわ。


「じゃあ点呼始めるぞー、いる奴は返事してくれー。……めんどくさ…やっぱ一人一人前に出て自己紹介してくれ。こっちの方が自己紹介と出席確認が両方同時にできて楽だわ。じゃあそこからぐるっと反時計回りに一人30秒程度でどんどんやってくれ…はぁ今日はゲーム買わねぇといけないのによ、全く」

「先生!見本!見本見せてください!」


クラスの誰かがそういうとすぐに先生が反応した。


「宮本 大地。一応それなりの顔立ちだと自負している。年齢は自称32。趣味は読書とゲームってことにしてくれ。能力は…まぁ障壁(バリア)ってことになってるな。出身はオーサカの方ということになってるが育ちはほとんどトーキョだからあんまり向こうのことは知らん、以上だ。お前ら早くパパッと済ませてくれよ」


その一言多いのはなんとかならないんですか先生!

そう言いたいのを我慢していたのは私だけではないはずだ。

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