ミノタウロス
遺跡に向かう途中に父から、魔力が保存されている灯りを渡された。
まぁそれ程暗いらしい
「じゃあ父さんはここで待っているから、ベイス……行ってこい!」
「うぅ、分かりました」
「大丈夫だ、ミノタウロスは上級魔物の中の下ら辺だ!」
「いや!それでも冒険者のパーティが揃ってギリギリでしょう!」
「それはそうだが、お前は特別だと思っている、あと角を一本持ってきてくれ、その方が入学も楽になるからな」
恐らく父はミノタウロスの角を見せて入学させるのだろうが、ベイスがやったという根拠があるのか……。
「でも、僕がやったという証拠は?」
「大丈夫だ、この水晶に記録させておく、だから監視魔法でついて行くが気にするなよ」
「魔法って便利なんですね……」
改めて魔法の凄さを知ったベイスだった。
「まぁ、取り敢えず行ってこい!」
「分かりました!」
「うわぁ、蜘蛛の巣とかいっぱいあります……」
ベイスは一人で、ダンジョン内を歩き回っていた。
すると、緑色の体を持った小さな鬼が出てきた。
「ゴブリンですね!って僕どうすれば!と、と、とりあえず攻撃です!」
とりあえず父とやるように距離を置き、相手の重心が動いた瞬間に突撃する、そしてまず一発目は囮だ、上から振り下ろし注意を上に逸らす、そしてガードされたところ腹を突くという作戦だ、が、一発目でゴブリンの体を真っ二つに斬ってしまった。
「あ、あれ?」
実は父がベイスにしていた修行はトップレベルの剣術であり、スピードもあるせいかもはや五歳半という歳で、剣術だけではトップレベルだったのだ。
だが、それだけでは真っ二つにはできない、剣の切れ味が必要だが条件は揃いすぎていたのだ。
そしてもちろんレペーネでは命が容易く奪われてしまうため、自らの防衛機能により精神年齢などはかなり上なのだ。
「ゴブリンってこんなに弱いんですか?」
ベイスは唖然としていた。
そしてその頃父は一人でその様子を水晶で見て爆笑していた。
そしてベイスは奥に進んでいった、すると明るい部屋に出た。
「あっ、明るい場所です!」
そして目の前には毛むくじゃらの背丈二、三メートル程の大きな牛の顔をした筋肉ムキムキの化け物がいた。
「……僕これ生きて帰れるんですか?」
「ンモォ!!!!!」
こちらを見るなり突進してくる、そしてそのスピードは凄まじくベイスは反応が遅れ、その突進をもろに食らう、だがそれは常人の話だ。
ぶつかる寸前にミノタウロスの体は後に吹き飛ばされ壁に激突する。
「ングモォォ!!」
そしてその機会をベイスは逃さなかった。
「はぁぁぁぁ!!!!!」
大きく飛び、ミノタウロスの首を斬る。
そしてその巨体は屍と化した。
「やりましたぁ!!!」
カウンターの力を借りたとは言え、本来のベイスのスキルだ、勝ちは勝ちだった。
「うむ、やっぱり息子は最強だな」