魔剣ネビュリ
もしかしたら、この世は公平ないのかも知れない、そんな考えが頭をよぎった。
先ほど父が母を呼んだので今は庭で集まり、反スキルについて話し合っていた。
「能力の掛け持ちか……」
「えぇ、それが一番の可能性だわ、恐らくさっき言っていた時間の巻き戻し、これも本当でしょうね……」
「僕は、これでいいんですか?」
結局何をすればいいのかわからず、自分の能力を肯定してくれている両親に問う。
「あぁ、いいんだが、レペーネでは魔法が使えないなんて有り得ないんだ……世間がどう取るかだな」
「あと2年経ったら学校に行かせようと思っているのだけど、大丈夫かしら」
恐らく魔法学校なのだが、まず入学すらできるか分からない。
「まぁ一応あそこの理事長ならよく知っている、相談してみるさ」
「父様ありがとうございます!」
自分のために少しでも最善を尽くしてくれようとする父達に感謝していた、本当なら無能者なんて呆れられて当然だが、それでも父達はいつもと変わらず接してくれている、ただそれだけの事だが今のベイスにとっては嬉しいことだった。
「気にするな、あっ、あとベイス、お前武器を持っていないだろ?」
「えっと、短剣なら一応あります!」
「じゃあ長剣をお前にやろう、ちょっと付いて来い」
そう言って父は宝物庫の方へ歩き出した。
「ベイス、その反スキルを大切にね、間違った使い方をしちゃだめよ」
「わかりました、母様!」
そして、父の後について行く。
宝物庫の扉は固く閉ざされていて、専用の鍵でないと開けられないようになっていた。
「解錠!」
父が魔力を込めるとそこの鎖などが解け、中に繋がる道が開ける。
「父様の魔力が鍵ですか」
「そうだ、まぁこっから先はちょっと暗いから注意して来るんだぞ」
宝物庫の中は、宝や剣などがあった、そして少し離れた台座に黒く禍々しい剣が刺さっていた。
「あれは……」
その見た目は禍々しいにも関わらず綺麗で美しいフォルムをしていた。
「この剣はなんなんでしょう」
その剣を抜いた瞬間
「ベイス?お前まさかそれを引き抜いたのか!?」
父が慌て出す。
「どうしたんですか?」
「いや、実はその剣は魔剣なんだ、もちろん認められなければ魔剣に殺されてしまう……しかもその剣は五百年間封印されていてはだれも扱えてない剣なんだ」
「え?僕死んじゃうんですか?!」
「いや、恐らく認められたんだ……その魔剣、ネビュリに」
「ってことは、この剣を貰ってもいいんですか?」
「もちろんだ!流石は俺の子だ!伝説の魔剣に認められるなんて嬉しいぞ!」
父はベイスよりも喜び飛び上がっていた。
「ところで魔剣って普通の剣と何が違うんでしょうか?」
「まぁ、普通の剣より切れ味が何十倍もいいってところと、刃こぼれしない、手入れがいらない!そしてこの剣の特徴、名前を心の中で唱えるだけで手元に飛んでくる、しかも主人を斬ることは決して無いんだ」
「とんでもないじゃないですか!」
「だから伝説の魔剣なんだよ!」
そしてベイスは魔剣を手に入れた。