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まだ恋に至る前の物語  作者: まみや ろも
9/11

ありがとう、見つけてくれて

 それから、すぐにカンナと京くんに謝りにいって。

 逆になんだか慰められて。

 夜になって、朝になって。


 鹿鳴くんはいつも通り大人しいけど、廊下ですれ違う時は挨拶するくらいにはなって。

 でも、あれから、鹿鳴くんは新しい歌をアップする事は無かった。


 そしてあっという間に、一週間がたっていた。


 カンナは相変わらずバンドに誘ってくるし。

 京くんは相変わらず無口だし。

 鹿鳴くんは相変わらず内気なままだった。



 晩御飯を食べてお風呂からあがった私は、いつものようにパソコンを起動して、お気に入りのチャンネルをチェックした。


 すると。


「鹿鳴くん、新しい曲アップしてる!!」


 急いでクリックする。


 タイトルは、『オリジナル』


 カバーとかじゃ無くてオリジナルなんだ。

 多分初めてなんじゃないかと思う。


 ドキドキしながら再生ボタンを押す。


 アコースティックギターを持った鹿鳴くんが写っていた。

 それよりも驚いたのは。

「マスクしてない・・・」

 素顔のままの鹿鳴くんが、モニターの中で歌いはじめた。


 シンプルなギターに乗せて、鹿鳴くんの綺麗な声がスピーカーから流れてくる。


 それは。



 ありがとうって


 沢山の人の中から

 ボクを見つけてくれてありがとうって

 ボクの声を聴いてくれてありがとうって

 ボクの歌を好きになってくれてありがとうって


 途中から、涙が止まらなくなった。

 鹿鳴くんは一週間、この曲を作ってたんだ。


 曲が終わってか、どうしても抑え切れなくて鹿鳴くんにメッセージを送った。

『聴いたよ!!

見つけたよ!!

感動したよ!!

好きだよ!!』

 そう送信して、それでも足りなくてカンナに電話した。




「今から行くから!!!!」

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