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まだ恋に至る前の物語  作者: まみや ろも
3/11

恥ずかしそうに話す彼が

 カンナと別れ自宅に帰った私は、早速パソコンを立ちあげる。


 YouTubeを開き登録しているチャンネルをクリック。

 ユーザー名を決めかねているのかいつまでたっても(仮名)とだけ書かれたチャンネル。


「あ、新しい曲だ」


 新しいとは言っても新曲という事ではない。

 有名なボカロの、しかも女の子が歌っている歌を、その男の人はゆっくりとしたバラード調に編曲し歌っているのだ。


 そう、彼は歌い手さんと呼ばれる人たちの1人。

 なのだけど、全然有名じゃなくて、再生回数もそれほど伸びていない。

 でも、私は彼の伸びやかで優しげな声が、とても好きだった。


 そして。


 そして最近さらに気になっているのが。

 この歌い手さんが鹿鳴くんなんじゃないかという事。


 彼は以前1度だけ、顔を晒したことがあった。

 晒したといっても、大きなマスクをつけ、目元しか見えなかったのだけれど。

 それでも、うつむき加減で恥ずかしそうに話す彼が、その目元が、鹿鳴くんそのものだったのだ。


 その1度限りで彼は顔を出すことはなかった。

 今回も画面には満開の桜の画像と歌詞が流れているだけ。

 ゆったりとしたテンポのまま、曲は終わり、小さな声で「ありがとうございました」とお礼を言って動画は終わった。


 私はベットに倒れ込むと、歌の余韻に浸りながらある事を考えていた。

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