2003年1月 SIDE TOOKO
いきなり、さくやの妹さんのお家に行くと言われてドキドキした。
しかも、事前にさくやと付き合っているって言ってあっての訪問だ。緊張しない方がおかしい。
雪山のスペースに車を停めたさくやに近付いて聞いてみる。
「拒絶されたらどうしよう。」
「そんなコト、絶対ない。」
絶対なんて、絶対ないのに。さくやの自信が今は恨めしかった。
さくやはどんどん歩いて行ってしまうから、遅れをとらないように必死で着いて行って階段を上ってお部屋の前まで来た。さくやがチャイムを鳴らすと同時にお部屋のドアを開ける。
「いらっしゃーい。」
夏昼さんというさくやの妹さんは、子供を三人産んでいるからか、おおらかな人だった。
「とーこ。夏昼。」
「夏昼ちゃんでーす。」
「とーこです。」
「とーこちゃん、ほっそいねぇ。ちゃんと食べてんの?」
「ほら、言われたべ。」
さくやがいつも言うことを、夏昼さんにも言われてしまって、さくやは同じ意見の人を得たとばかりに攻撃してきた。
「あ、さっくだ。」
奥の部屋から小さい男の子が出てきた。
「風弥。とーこちゃんに、こんにちは、は?」
「こんにちは。」
「こんにちは。風弥くんはいくつ?」
風弥くんは照れたのか指を四つ立てて答えてくれた。
「風弥。摩周と斗夢は?」
「寝てる。さっく、あそぼ。」
「おう。何する?」
さくやは風弥くんと遊び始めてしまった。あたしは夏昼さんと二人残され、何となく気まずくなるのかなと思っていたら、夏昼さんの方から話しかけてくれた。
「ねーちゃんは、我儘で、意地っ張りで、どうしようもない奴だけど、今後ともどうぞよろしくお願いします。」
「そんな。あたしなんて、何にも出来ないですから。」
「でも、ねーちゃん、顔が変わったから幸せなんだと思うんだ。前はあんな顔しなかったから。」
夏昼さんはニコニコ顔で風弥くんと遊ぶさくやを見ていた。
姉妹っていいなって、その時、思った。




