2003年1月 SIDE TOOKO
さくやが、妹さんに、あたしのことを話してくれたって聞いた時、嬉しさと共に罪悪感が込み上げてきた。
あたしには兄弟姉妹がいない。だから、もしさくやの事を話すとしたら、父親とは疎遠だし話しても意味はないから、ママってことになる。
でも、あたしはママにまだ話せない。
何でだろう。
あたし、じぶんが「レズビアン」であることを少しも恥じていない。てか恥じることであるとも思ってない。どんなオンナでも良い訳じゃない。さくやが好きなんだ。さくやを好きになって、好きになった人の性別がたまたま女性だったってだけだ。
けれど、ママには言えない。
だから、さくやには申し訳ないと思う。
さくやは仕方ないって言ってくれたけれど……いつか言わなければならない日が来ると思う。その時、ママはどんな反応をするのかな。
『真紀ちゃんって、家族にカムしてる?』
『CACA』で仲良くなった真紀ちゃんにメールで相談してみることにした。
『カムしてるも何も、ウチ、実家に一緒に住むことになって、今一緒に住んでるから。』
『そうなんだ。家族の反応は?』
『初めはビックリしてたけど、受け入れてくれているよ。』
『そっか。教えてくれてありがとう。』
『瞳呼ちゃん。カムしようか悩んでいるの?』
『うん。さくやは家族にカムしてくれたんだけど、とーこは出来なくて、それが申し訳なくて。』
『時期が来れば、何もかも上手くいくときがあるよ。焦らないで。』
その言葉は、今のあたしの心にストンと響いた。
そっか。焦ってもダメなんだ。時間が解決してくれることもあるんだ。
『ありがとう。真紀ちゃん。参考になったよ。』
『桜夜くんと仲良くね。』
『真紀ちゃんもたけるさんと仲良くね。』
「さくや。」
「なした?」
「真紀ちゃんとメールして考えたんだけどね。今すぐカムは出来ないかもしれないけれど、時が来たら、絶対さくやをママに紹介するから。もう少し待ってて。ごめんね。」
「とーこが謝る事じゃねぇって。」
「ありがとう。」
さくやが待ってくれる人で良かった。いつかこんな素敵な人をママに紹介できる日が来ますように。




