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俺たちの進む道には  作者: 風 桜月
2003年1月
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2003年1月 SIDE SAKUYA

 弁当に冷食を使うことでとーことしばらくモメた。モメたというより、とーこは冷食を使うのに抵抗があったようだった。朝から、ハンバーグも唐揚げも全部一から作っていた。そんなコトするのに何時から起きているんだと思ったら、そんな無駄な事しなくても、この世には冷食という便利なものがあるんだからそれを使えばいいって説得して、やっと納得させた。

 弁当が一つの負担になって欲しくなかった。


 雪が深々と降っている。帰ったら車をどこかに置いて雪かきだな。

 だから冬は嫌いだ。出勤前と帰宅後、両方雪かきしなければならない。車がなければ通えないところで働いてる自分が悪いんだ。仕方ないか。

 帰りに職場の駐車場で車の雪下ろしをしていて、夜、だいぶ降ったことを実感する。

 これは、骨が折れるぞ。暖気しながらタバコを吸って今日はどこから雪かきを攻めようか考えていた。

 家まで近づいて、何かおかしなことに気付く。

 俺の駐車スペースの雪が全部取り除かれてる。雪は昨日の夜降って、今朝からは降っていないから、雪が取り除かれたのは昨日の夜のうちってことになる。プレリュードは小さな車ではない。この車の駐車スペースを確保するとなると、ずいぶん広い場所を、昨日の降り方だと三十センチくらい雪かきしたことになる。

 この集合住宅に住んでいるのは、自分の家の前の雪かきもままならない爺さんか婆さんばかりで、人の駐車スペースまで手の回る人はいない。

 とーこだ。俺が疲れて帰ってくるのを知ってて、いつも雪かきに愚痴を言っているのを聞き逃さず、こんなことをしてくれるのはとーこ以外考えられない。

 しかも、今日は平日で、とーこは仕事に行ってる。

 夜遅くまで、こんな広いスペースをこんなに沢山雪かきして、仕事に行ったんだ。

 そのスペースに車を停めて、家の中に入る。

 すると、机の上にメモがあった。

「お疲れさま。お昼ご飯は冷蔵庫の中だよ。」

 冷蔵庫の中には弁当が入っていた。

 何だか急にとーこが愛おしくて仕方なくなった。

 あの小さな身体での雪かきは疲れただろう。それを夜こなして、朝早く起きて弁当作るのは眠かったろう。けど、とーこは、俺がしてほしいと思うことをサラっとしてくれる。

 弁当を食べながら、考える。

 俺はとーこに酷いことをしてきた。その大半は酔っぱらってて覚えていないことも含まれている。でも、とーこに責められたことは一度もない。

 今度は、俺が支えになれたらいい。

 この前、事件があって、本当はまだ傷付いていて、それを必死に隠そうとしているとーこの心の支えになれたら。俺はそうなれるだろうか。

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