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俺たちの進む道には  作者: 風 桜月
2003年1月
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2003年1月 SIDE TOOKO

 さくやが合鍵をくれて、直ぐにお引越しの手配をした。冬のお引越しだったから、今回ばかりは自分たちでは出来なくて、業者にお願いすることになって、少し値が張ったけれど、仕方なかった。それより、一緒に暮らせる喜びの方が大きい。

 さくやのお家にお荷物が収まった時は嬉しかった。これで初めて一緒に暮らせる。屋根がある場所にさくやを寝かせてあげるためのお部屋ではなく、一緒に暮らせるお家に住める。

 お風呂も、通勤も今まで住んでいたところよりかなり不便だったけれど、そんなのかまわなかった。

 さくやと一緒に暮らせるなら。

 お洗濯は長い水道用ホースと排水用ホースを買ってきて、居間に置いたあたしの全自動洗濯機ですることになった。お風呂場からホースで水を引っ張ってきて、排水ホースをお風呂場に流し込む。冬場で玄関と居間を隔てていた扉を開けっ放しでお洗濯しなきゃならないのは寒かったし、手間はかかったけれど、これでお家でお洗濯が出来る。


 このところ、さくやは夜勤で、あたしたちの生活は完全にすれ違っていた。けれど朝、起きてみると食卓テーブルの上に二つのお弁当箱が乗ってて、さくやの字で「こっちが朝用」「こっちが昼用」とメモが書かれていたりする。夜勤から帰って来て疲れた身体で作ってくれたのかと思うと、涙が出るくらい嬉しかった。

 お返しに、起きてから食べられるように軽い昼食を作ってお弁当箱に詰めて「お疲れさま!お弁当は冷蔵庫の中だよ。」ってメモを食卓に乗っけて、お弁当を冷蔵庫に入れて出かける。

 お仕事から帰るとさくやはもういない。食卓を見ると「ありがとー。」ってメモが乗ってる。

 あたしたちがしゃべれるのは、さくやが夜勤に行く前の僅かな時間だけだった。

「俺、来週から早番になるから。」

「やった。さくや、やっと普通に眠れるね。」

 夜勤だと、さくやがゆっくり眠れていないような気がして心配だった。それに、早番になれば、ご飯も一緒に食べられる。

「おう。もう少しだから頑張るわ。」

「あんまり、頑張りすぎないでね。」

 お弁当に冷食を使うのは気が引けたけれど、さくやがいいって言ってくれたので、冷食を使ったお弁当を渡して、さくやを見送った。

 今日は雪が深々と降っている。さくやが帰ってくる前に駐車スペースの雪かきをしないと。

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