表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺たちの進む道には  作者: 風 桜月
2002年12月
80/92

2002年12月 SIDE SAKUYA

 これでは、俺の計画が果たせない。どうにかとーこを起こさなければ。

「とーこ。」

「ん?」

「起きろよ。」

「起きてるってば。」

 言ってるそばから目を閉じてる。

「とーこにあげたいものがあるんだ。」

 すると、とーこは眠たげな瞳をようやく開いた。

「なぁに?」

「コレ。」

 ずっと、とーこに上げようと思ってて、タイミングがつかめなくてあげられなかった物。クリスマスの力を借りて、ようやく渡せた。

 とーこははじめ、何を受け取ったのか判らないって顔をした。寝ぼけてたし酔ってたし、頭が混乱したんだろう。気付いた時には、ぽろぽろと涙を流していた。

「泣くな。」

「だって。」

 渡したものは、部屋の合鍵。とーこにずっとこの部屋に帰って来て欲しくなったから。

「この部屋に越して来いよ。」

「いいの?」

「ダメだったら、言わねぇよ。」

「本当にいいの?」

 とーこはボロボロ泣いている。向かいにいるとーこの席まで立ちあがって行って、抱き締めてやる。

「とーこが愛おしいよ。」

 それは、心の底から、出た言葉だった。

「さくや。ありがとう。」

 しゃくりあげるとーこの背中をトントンと叩いてやる。

「ありがとう。」

 グチャグチャの顔をしたとーことのキスは涙の味がした。


 次の日、目が覚めたらとーこが同じタイミングで目を覚ました。

「目、腫れてるぞ。」

「ウソ。やだ。」

 急いで姿見がある居間に出て行ったとーこが、しばらくして「さくや。サンタさんが来てる。」と、ビックリした声をあげた。

「はぁ?意味判んねぇ。」

「だって、テレビのとこ、見て。」

 意味判んねぇから、ベッドから起き上がるまで何のことだか想像もつかなかった。

 そこには、昨日ベッドに入るまで確かになかった物体が置いてある。

 俺は眠りが浅い方だ。夜中にとーこがトイレに起きてもすぐ気付く。そういうとーこは昨日は酒に酔っぱらって合鍵を渡すまで食卓で舟を漕いでたほどだ。あそこにどうやって物が置かれたのか判らない。

 黒い包装紙に包まれた物体は少し重かった。

「ねぇ。さくやが開けてみて。」

 黒い包装紙を破くと中からはプレステが出てきた。

「マジ意味判んねぇ。」

 確かに何か月か前にプレステが欲しいと口走ったことがあった。それが、叶った。

 とーこの粋な演出は、マジでどうやったのか判らなかった。

「どうやった?」

「サンタさんが来たの。」

 とことん言わないつもりらしい。

「これで、スロット好きなだけ出来るね。」

「おう。」

 これで、学んだ。とーこの前で欲しいとかしてみたいと言ったら叶ってしまうと。とーこは俺を第一優先で考えている。どんな手段を使ってもとーこは俺の願望を叶えようと必死なんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ