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俺たちの進む道には  作者: 風 桜月
2002年11月
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2002年11月 SIDE TOOKO

 雪が本格的に降る前に『CACA』に行こうって言い出したのはさくや。辺鄙な所に住みだしたから、雪が降りだしたら、歓楽街にもなかなか遊びに出られなくなる。

「おう、桜夜、瞳呼。いらっしゃい」

「おう。」

「お久しぶりです。」

 カウンターに座ると、見慣れない女の子がカウンターの中で働いていた。

「たける。紹介しろよ。」

「ああ、真紀。カノジョ。」

「カノジョ?」

「そう。真紀、こっちが桜夜で、こっちが瞳呼。」

「よろしく。」

「こんばんは。」

 たけるさん、ちょっとサイクル早くないかなぁ。真紀ちゃんって彼女は家庭的でふんわりした雰囲気の子だった。さあやちゃんとは正反対だ。さあやちゃんはどちらかといえば一匹狼タイプのちょっと不思議ちゃんだったから。

 真紀ちゃんとはなんとなく波長が合う感じがした。さくやとたけるさんが話している間も真紀ちゃんとあたしは仲良く話していた。この世界、ネコ同士の友情は難しい。何故なら、自分の彼女を盗られたら困るから。けれど、さくやとたけるさんはタイプがあまりにも違いすぎるからなのか、それともあたしがさくや以外には全く興味がないのが真紀ちゃんにも伝わったからなのか、二杯目を頼むころにはメアドを交換する仲になっていた。

「仲良くやってるな。」

「うん。」

 さくやは、嬉しそうだった。前々から、千佳さんだけでなく、ネコのお友達をもっと作れたらいいねって話してたからだと思う。悩みを相談したりできたら、あたしがもっと前向きになれるから、お友達の存在は大切だ。

「私、子持ちなんだよね。」

「そうなんだ。」

 さくやの元彼女も子持ちだったから、そんなに驚くことではない。真紀ちゃんはあたしが驚かなかったからかホッとしたみたいだった。

「たけるのこと、どう話したら伝わるかなって……。」

「お子さんいくつ?」

「四歳。女の子。」

「難しい年頃だね。」

 四歳って言ったら、もう立派に「オンナ」になってる。でも、まだ性同一性障害を理解するのは難しすぎると思う。

「でもね。たけるとは一緒に住みたいと思っているの。だから、頑張る。」

 母は強し。その時、そう思った。

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