2002年11月 SIDE TOOKO
焼き肉の看板が目に留まって入った焼肉屋はあまり美味しくなかったけれど、お腹はいっぱいになった。焼き肉を食べた後、たけるさんのお店に飲みに行った。
さくやは、時間が経つにつれて機嫌が悪くなっっていった。
「今日は、何飲む?」
「ビール。」
「とーこはカシオレ薄めで。」
「たけるも飲めば?」
「いただきまーす。」
たけるさんは何かを察したのか、出来るだけ明るく接してくれていた。
「今日、さくや、お誕生日なの。」
「じゃあ、桜夜お誕生日おめでとー。」
たけるさんもビールを注いで乾杯した。
「サンキュ。」
ちっとも心から笑ってない。目の奥が切れそうなほど鋭い。いつもより増して誰も信じないって顔に書いてある。
彼女との別れがこれほどさくやを傷付けたんだ。
出来るもんなら彼女をここに呼んで、このさくやの姿を見てもらいたかった。
あなたが、さくやをこんなに人間不信にしたんですよって。さくやを幸せに出来るのはあなたなのに。あなただけなのに。
考えると、腹が立って仕方なかった。
そして、ふと考える。
あたしじゃ、代わりになれないかな。さくやが彼女と別れたら、つぎはあたしを選ぶって言ってくれたって事は、あたしの中にもさくやを幸せに出来る要素が少しはあるって事だ。
次は、あたしがさくやを幸せにする。
どうやったら、幸せに出来るか全然判らない。だってあたしは美人じゃないしスタイルも良くない。今は精神的にも不安定だし、お金だってない。
けれど、決めた。どんな事があっても、さくやを幸せにして見せる。




