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俺たちの進む道には  作者: 風 桜月
2002年3月
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2002年3月 SIDE TOOKO

SIDE TOOKO


 今日は携帯のサイトで見つけたビアンのオフ会ってやつに初めて参加した。

 出会い系で、たった一人の人と出会うのはまだ怖かったから、オフ会だったら多くの人と仲良くなれるかなって思って一歩を踏み出した訳だ。

 会場になってるのはカラオケボックス。

 確かに声は外に漏れないし、広々とした空間を使えるし、オフ会にはぴったりだと思った。

 だってあたしたち、レストランや居酒屋でオフ会ができるほど世間に認知されてない。

「レズビアン」って聞こえが良くない。何でだろう。後ろ向きなイメージがある。

 あたしは気にしないけど、社会では何故か偏見も多い。だからかな。今日のオフ会はひっそりと行われていた。


 最初に自己紹介したけど、タチやリバーシブルの人が結構多くてビックリした。そういえばサイトの出会い系でも、タチやリバの人は多いのにネコの子は少ないような気はしていた。

 あたしが新入りだからか、結構話しかけてくるタチやリバの人が多い。

「とーこちゃんって、どんな字を書くの?」

「瞳に呼ぶって書きます。」

「へー。珍しい名前だね。似合ってる。可愛いよ。」

 さっきから、どのタチの人にも「可愛い」と持ち上げられていたけれど、あたしはどの人も好みではなかった。

「瞳呼ちゃんってさ、どんな人が好みなの?」

 その質問に答えるのは難しかった。あたし、どんな人が好みなんだろう?

「優しい人、ですかね。」

 当たり障りのない答えをやっと絞り出して愛想笑いをする。

 本当は格好良くて他の人のことなんてどうでも良くてあたしにだけ優しい、危険な香りのする人が好みだった。あたしの為だけに世界が回ってると思わせてくれる人が好きだ。

 でも、そんなこと言わない。あたしは完全に猫をかぶっていた。

 オフ会では色んなゲームをしたり、メアドを交換し合ったりして、あたしは少しずつ自分の世界が広がっていくのを感じた。

「この後、イベントがあるんだけど、瞳呼ちゃん。一緒に行く?」

 ビアンのイベントって行ったことがないから興味がある。どんなところなんだろう。

「はい。」

 もうオフ会も終盤ってとこで誘われたから帰り支度をして、みんなの後を付いて行く。

 会場の入り口を通る時、三人のタチっぽい人とすれ違ったけど、顔までは見ていない

 大音量の音楽が響くフロアに立って、新しい世界に足を踏み入れたことを実感した。


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