期末テスト
さて、学校サイドから見てみるとどうなのであろうか。
学校側から、何故期末テストを行うのか、という事を考えると麗子さんサイドより答えは単純明快である。その答えはというと、学校側(教師)は一人ひとりの生徒のことを完全に把握する事が不可能である。ということだと、私は考える。どういうことかというと、一クラス大体平均して、20人から多くて45人くらいだと思われる。そんなたくさんの生徒がすし詰め状態になっている教室の中で、教師はたった一人である。各地によっては、T・Tという担当教師の補佐をつけている学校が存在するが、私の経験上まれである。一クラス一担任であれば、それで済むかもしれないが担当教科に着き、一担任であった場合、一クラス40人どころか、何百という生徒を見なければならないのある。そんな事は、誰であろうと無理である。自信を持って、「私は100%全生徒を見ている。私の目からこぼれている者はいない」と言いきれる教師が果たして存在するのであろうか。せいぜい「私は90%の生徒を見ているが、見落としてしまう事もあるし、時間や諸々の関係で見られなかった」という具合であろう。逆に、前者のような教師がいたら私は恐ろしくてたまらない。あくまでも個人的な意見ではあるが、そんな完璧に生徒を見られるのは、某ドラマで元宝塚女優が演じた彼女くらいであろう。
結果的に、学校側が期末テストを行うというのは、教師の目の届かない範囲をカバーするためである、と言えるのではないだろうか。決して、教師が楽をしてるという訳ではない。私も、テストを催す立場の人間ならば当然のことであり、仕方の無い事だと思うと思う。
だが、それではいけないのだと私は思う。先日行われた、“全国学力テスト”。あの結果を受け、何より驚いた事がある。それは、中学校三年生、小学校六年生において、東北の県が上位を占めていたことである。東北にお住まいの方には大変申し訳ないと思うので、先に陳謝しておく。私の偏見であると思われるかもしれないが、東京を中心とした首都圏で上位を占めると私は予測していた。そこにあのニュースが飛び込み、大層驚いた。そこで、私なりの考察をだしてみた。それは、東北圏は首都圏に比べ、一クラスの生徒数が少ないと思われる。という事は、10人の教室に一人(もしくは二人)の教師、四十人の教室に一人(もしくは二人)の教師がつくのでは、どちらが生徒と教師の距離が近いであろうか。一口に距離と言っても、何十個もの机と、教卓の間のような物理的距離もそうであるが、教師が一人一人の生徒と接する時間、という心と心の距離でもあるのではないだろうか。どこの都道府県でも、私立を除き、授業の一こまの時間というのが決まっていると思う。この一こまの中で、四十人相手の教師は全員を回り、授業をし、質問に答えるというハードな事を行っている一方、十人相手の教師であれば、一人ひとりにかける時間を長く取る事が出来るし、一人ひとりとの物理的距離も近く取れる。この、教師と生徒の関係、というのも成績の一因になっているのではないか、と思う。
“教育効果”や“学習効果”のまえに、生徒と教師との人間としての一対一の対話が必要なのだと私は思う。
だらだらと長い散文ですが本当の意味での、“成績”とは何なのか、という事を考えた結果です。
読んでいただきありがとう御座いました。