プロローグ 派遣マスター剣崎
これは、愛と正義とエロを愛するバカとその仲間のバカ達を描いた物語である。
よーするにシリアス極力0でいきたいと思う作者です。
剣崎派遣会社。
この派遣会社を知っている人は多い。
多種多様な人材を抱えており、そしてその誰もが特定の分野で一流なのだ。まぁ、個性溢れ過ぎる面々ばかりだが。
バイクを片手で持ち上げるゴリラ男や、昇天する程美味いが鯖の味噌煮しか作らない料理人や、女装が恐ろしく似合う完璧執事、斬鉄どころか斬タングステン出来る刀を造り出す刀鍛治師など、ラノベキャラみたいな人間ばかりだ。
そんな剣崎派遣会社には色々な仕事が入ってくる。
例えば、こういう…………危ない仕事も……。
バンッ!!
乱暴にドアが開けられる。あ、蝶番が壊れた。先週直したばっかりなのに。
「おいっ剣崎、仕事もって来てやったぞ!」
目の前の赤髪ロr「あ?」じゃなくてとってもセクシーなお姉さんが仕事持ってきてくれたみたい。わーい。
37歳にして身長142cmなんだからロリって認めたらいいのに。
「仕事って何ですか、如月·N·コード37歳。身長142cm、体重31kg、日本人とイタリア人のハーフで父譲りの赤髪をツインテールにしている割に着物を愛着しているちぐはぐ娘。
親の職業である望月組の組長とコードファミリーのボスの座を引き継ぎ日々死ぬ気でカテキョーしている」
「してねぇよ。てか何で説明口調なんd」
「俺、剣崎鶴来34歳の高校時代の先輩であり、所属していた『世を忍部』の部長でもある。ちなみに『世を忍部』の活動内容は秘密基地を作ったり、ケイドロしたり、船の上でじゃんけんしたりと、至って子供らしい活動だ」
「いや、あれ、秘密基地というよりは秘密要塞だろ。普通は海底に秘密基地を作らねぇし。
ケイドロって、まじ警察と泥棒だし、最後のは限定じゃん○ん!!」
「彼女は時折ウチに裏の仕事を回してくる。暗殺とか、虐殺とか、毒殺とか」
「ちげーし、撲殺だし、刺殺だし、滅殺だし」
「かわんねーよ!」
なんて物騒な人なんだ。
「それより仕事だ、仕事。ほら」
如月さんが机の上に書類をおk、置けなかった。
んーーーー!!んーーー!!頑張って背伸びしてる。萌えるなぁ。
ナデナデ。
「こ、こら、頭を撫でりゅんにゃにゃい」
ナデナデ。
「ふにゃ、にゃ、にゃふ~、……スゥー、スゥー」
って、寝た!?驚きだな。
「スゥー、スゥー」
いつもがさつなガキっぽい如月さんがあどけない寝顔を晒してる。
「……………………ふむ」
はだけた着物から健康的に焼けた肌色がみえる。
「…………………………………………ゴクッ」
「…………ウ、ン」
如月さんが寝返った拍子に着物の間から桜色をした、桜色をした、イイヤッフゥゥゥウウウ!!!
「ハァハァ如月さんハァハァ如、月、さ、ん!!」
如月さんにルパンダイブ!!クンクンペロペロチュー。
「ううん、……あと五分」
ハムハムチュルチュル。
「……もう少し寝かせて…………ん?」
サスサスモミモミ。
「ギャァァアーーーーーーー!?何やってんだバカヤローー!?」
「ハァハァ可愛いよ如月さんハァハァ」
「気持ち悪いわボケーー!!」
ガス!
「Oh!No~~!」
あああああああ、あそ、そそ、あそこが、あ、あああ。
身悶えるとはこういう事かぁ~~。
「全く、天誅だバカ……………………………………………………ちょっと良かったかも」
如月さんが何か言ってた気がするが痛みで分からなかった。
つぅ~~、あ、ぐ、ああ~~、いてぇ~~。
ガタッ、ガタン。
天井から何か、と言うか忍者が現れる。
「主殿、大丈夫で御座るか!」
そう言い俺を心配してくれるのは忍者装束を纏った女の子、真田篠だ。俺が17の時に拾った子で、当時4歳か。あの時の俺は若かった。ふざけてお前は忍者の末裔だと、教え込んだのだ。その結果どこぞの蛇のオッサンを超えるスニーキングスキルを持った忍者が生まれてしまった。後悔はしてない。
「アイエエ、ニンジャ、ニンジャナンデ!!」
「貴様か主殿を傷つける輩は。いつもいつも主殿にベタベタして、許せん、殺す!」
「え、ちょ、おま、け、剣崎助けろ!!」
「グォォオオ!!あああ、あ、うにゃーーー!」
股間が、ああああああああ。
「剣崎~~!!」
「覚悟!!」
「股間があああああああ!!!!」
…………30分後、
「くぁー、痛かったぜ、全く」
「死ぬかと思ったぞ」
「主殿っ♪ナデナデしてください♪」
股間の痛みが引き、篠を1週間ずっとナデナデする事と引き替えに事態が収集した。
ナデナデ。
「んふふふ♪」
「それで仕事って?」
「やっとか、此処までどのくらいの時間を掛けたか」
「ああ、CoCo壱まで徒歩10分だぞ」
ナデナデ。
「そう言う事じゃねえよ!?…………うん、後で食べに行こうかな」
「俺は全部トッピングする派だぞ」
ナデナデ。
「う~ん、私はシンプルに食べる派だが…………って、仕事!仕事の話!」
ナデナデ。
「ほら、こいつを盗ってきて欲しいんだ」
「ん、なんだこれ?」
渡された資料に載っているのは門(·)だ。
「それは、コード家の秘宝『パサージオゲート』だ。コード家の先祖はこの門を通って異世界から来たとされている。」
「いや、パサージオゲートて。イタリア語と英語混じってんぞ」
「その名前は父が付けた。それまでは門って言われてた」
「んで、信じてんのそれ」
「ああ、信じてる。いや、信じざるを得ない(…………)」
…………これは真剣だな。
「コード家の秘宝なら何で盗まないといけないんだ?」
ナデナデ。
「先月にカルト教団に強奪されてな。最初はウチで取り返そうと思ったのだけどな。特異がゴロゴロ居やがったんだ」
特異、それは才能や、努力、偶然では語ることが出来ない程の能力を持った人間の事だ。
オカルトとかそんなのでは無い。ヒトから進化した存在、それが特異。1億人に1人いるかどうかの割合で存在する。現在確認されている特異は42人。内8人は剣崎派遣会社に所属している。
「それで、何人いるんだ?」
「4人だ。」
「な。4人も!?カルト教団に?」
「いや、正確には6人だ。ウチの者が命削って2人始末した」
たかがカルト教団と思ったが特異が6人もいたとは……
「頼む、引き受けてくれ。調べた所奴らは世界滅亡を目論んでいるんだ!門の能力は本物、何が起こるか」
「任せて下さい、如月さん。俺たちを誰だと思ってるんですか」
如月さんに頼まれているんだ。やるしかないだろ、男なら。
「行くぞ篠、仕事だ」
「はい、主殿。それと」
バサァとコートを翻し立ち上がる。
「ナデナデしてください」
「締まらないな、おい!?」
ナデナデ。
皆さんの罵倒と感想を荒縄で縛られながらお待ちしております。