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数学研究会の変態日和  作者: 不完全な世界
第二章 選択の犠牲
9/21

これまでの秘密

投稿長引きました!すみません。


これから学校のテスト期間なので投稿が遅くなると思います

奇跡というものは起きるから奇跡というんだ。

少年漫画にでてくるようなセリフを思いだす。

そう。僕はおこしてしまった。奇跡を。

ただその奇跡はなんというか、悪い方の奇跡だった。


「まさかあの時、空から水の入ったバケツが降ってくるとは思いませんでしたね」

「・・・・・・」

「あれはおそらく掃除に使うバケツでしたので、誰かが取りに来るだろうと思いまして放っておきましたけどちゃんと取りに行ってくれたでしょうか」

「・・・・・・」


何だろう。この罪悪感。

この水無月先輩は脅迫犯だけど成績優秀で学校での態度もまじめといわれている。

この様子から察するに多分、バケツを落とした人のことを怒りはしないだろう。

いや、別に僕がバケツを落としたって言うべきだと思うんだけど、またそれをネタに脅迫、まではいかないけど何かされるかもしれない。


「そういえば何で濡れたからって水着を着ているのですか?」


制服が濡れたのならジャージを着ればいい。水着をちょうどよく持っている人なんていない。

水着をちょうどよく持っているなんて変態だ。


「まず理由の一つに今日は体育の授業がなく、代わりに着るジャージがなかったからです」

「そうですか」

「次に私がちょうどよく水着を持ってきていたからです」


この先輩変態確定だ!

結衣ちゃんなんかさっきから後ずさっているよ。すごい。僕も水着をはいて上半身裸でいれば結衣ちゃんからいじめられずに済むかな?もちろんする勇気はないけど。


「・・・・・・どうしたのですか?二人とも。さっきから紅茶に手をつけてないですよ」

「ああ、すみません」


とりあえず何もしないのもあれなので紅茶を飲んでみる。

昨日と同じようにおいしかった。

作る人が変態じゃなければ文句なしだったのにな・・・・・・。


「私は今日は用事があるので今から帰りますが二人はどうしますか?」

「あー、そうなんですか。じゃあ僕たちも帰ることにします」


部活動一日目で部活をしないなんて、なんだよ数学研究会。


「じゃあ、失礼ですが先に帰ります。あとお手数ですがコップは水で注いで食器棚に入れてください」

「はい、わかりました」


そういって水着をはいたまま鞄をもって帰っていく水無月先輩。

結局、なんだったんだろうか数学研究会。

そして何者なんだろうか水無月先輩。




その疑問は三十分後解決することになった。


「なんでここに呼びたしたんですか?水無月先輩」

「話すことがあるからですよ。佐藤君」

「では、結衣ちゃんを席から外してまで話す内容ってなんなんですか」

「その前に佐藤君は他にいうことがあるんじゃないですか」

「どういう意味ですか」

「単純な話です。何か知りたいことや疑問に思っていることがあるんじゃないですか?この数学研究会に」


疑問に思うこと。それならある。ものすごく疑問に思うことだ。


「では聞きます。水無月先輩は何で僕のメールアドレスを知ってたんですか!」


そう。あのあと結衣ちゃんと一緒に帰った時に僕の携帯にメールが届いた。

内容は『水無月壮馬です。すみませんが今から佐藤君だけ数学研究会の部室に帰ってきてくれませんか。神崎さんには気づかれないようにしてください』だ。

あの時は本当に驚いた。用事があるといって帰った水無月先輩が僕を呼び出したことに対してではなく、僕のメールアドレスを知っていたことに。

水無月先輩とは携帯番号もメールアドレスも交換していない。なのに僕のメールアドレスを知っていた。

僕と結衣ちゃんを脅迫、人のメールアドレスを何故か知っている、そしてまだ水着をはいている、謎が多すぎる先輩だ。この人は。


「もちろん、それは――――」


そういって言葉をのばしながら、


「企業秘密です」

「ふざけないでください!個人情報勝手に知ってる理由はなんなんですか!」

「まあまあ、おちついてください。この件に関してはまだ口は割りません。それよりも他にも知りたいことがあるんじゃないですか?まずはそのことについて教えますよ」


正直、まだ納得がいかなかった。けれど確かに落ち着かなければ会話が進まない。


「じゃあ、何で僕たちを脅迫してまで数学研究科に入部させたんですか」

「それは部員が三人以上いないと廃部するからです。そのためにあなたちを強制的に入部させました」

「廃部するにしてもまだ時期が早すぎるんじゃないですか。少なくとも部活動紹介をした当日にその方法を実行することは不自然です」


脅迫することは犯罪だ。もしかしたら脅迫する側に被害がでる可能性だってあるはずだ。それにまだ部員が入部する可能性があるのにその最終手段をとるのはおかしい。


「そのことに気づきましたか。ではそのことを説明するためにはまず、数学研究会の存在意義について話す必要があります。少し話が長くなりますがよろしいでしょうか」

「はい。結構です」

「では、説明します。数学研究会の人たちは全員、異常な性癖をもっています」

「・・・・・・はい?」

「数学研究会の部員は全員異常性癖者です」

「・・・・・・」

「異常性癖者です」

「・・・・・・」


何言ってんだこの人!


「それってどういう意味ですか?」

「数学研究会の部員は異常性癖者です」

「いや、とりあえずそれはいいんで。えーと、じゃあなんでそういう人たちが集まってるんですか?」

「それはですね。そもそも数学研究会とは仮の姿で本当は社会から拒絶される異常性癖者が集まって、社会との適合を目的にした部活なんです」

「はぁ。そーですか」


なんかもう考えるのが疲れた。


「それで数学研究会に普通の人が集まってしまうとこちらには困ります。それが理由で部活動紹介でもかなり専門的なことを話して、万が一にも普通の変態が入部しないようにしました」

「あー、あれってそれが理由だったのですか」

「はい。そしてあなたがたを脅迫した理由は単純にあなたたちが素質がある変態たちで、ほかの部に入部する前に引き入れようとしたからです」


確かに全て理に適っている。

数学研究会が変態ばっか集まっている理由がいまいち理解できないが、その他はだいたい理解できた。

けれど一つだけ納得いかない点がある。


「数学研究会というのは変態しかいないし、これからも変態しか入部させないってことは理解できました。ただ一つだけ納得しないことがあります」

「何でしょうか」

「結衣ちゃんがSの変態ってことはわかります。けど僕は変態なんかじゃありませんっ!」

「ふふふ。むきになって否定する必要はありませんよ」

「違う!あれはただ結衣ちゃんにつきあわされただけで・・・・・・」

「けどあなたは彼女を拒否しなかった。それも事実でしょう」

「それは・・・・・・・」  

「理由がどうあれあなたはそれを受け入れた。その時点で彼女の行為を受け入れたことには変わりません。なに、それを恥ずかしがる必要はありません。ここでは変態が普通のようなものです。誰もあなたのことを迫害しません」


違うんだ。自分が変態だと思われることがいけないんだ。絶対に譲れないんだ。そんなの認めたくないんだ。


「嫌だ!何で僕が変態にならなくちゃいけないだ。僕はただの平凡な人間だというのに。こんな部活やめてやる!」

「あ、その場合は脅迫した情報を公開させていただきます」


・・・・・・本当にもう、疲れた。

今日ほど密度がある一日はなかった。なんだよ数学研究会。もうなんなんだよ。


「もういいです。諦めました。えっと、じゃあ水無月先輩が水着を学校に持ってきている本当の理由って、」



「ああ、それはですね。私は数学研究会の部長しているとともに水泳部に所属しているからです」


露出狂だからですか、と言おうとしたが違うようだった。

じゃあ、水無月先輩が水着を学校に持ってきている理由はまともなことだったんだ。

だからといって学校で水着をはくことは人としてどうかと思うが。


「え?けど結衣ちゃんはそんなこといってませんでしたよ」

「このことを知っているのは水泳部の部員ぐらいですから」

「水泳部に入っているのですか。ああ、そうですか。変態って女性の水着を見たいからですか」

「ふっふっふ。違いますよ」

「え、違うんですか?だったら、水無月先輩はどんな変態ですか?」


それはですね、と水無月先輩1拍おいて。


「露出狂です」


結局露出狂だったのかよ!


「ちなみに水泳部に入った理由は合法的に自分の裸をさらけだすことができるからです」

「めちゃくちゃ変態じゃないですか!水無月先輩!」


母さん。僕が人生で始めた部活の部長はものすごい変態でした。

やっと水無月先輩のことをかけた。


作者は水無月先輩のことがめっちゃ好きです。

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