表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
数学研究会の変態日和  作者: 不完全な世界
第一章 僕はいつまでたっても僕のままだった
3/21

女王の片鱗

今回は展開が遅いです。

昨日結衣ちゃんから逃げた後に考えた。

僕が結衣ちゃんから距離を置く方法を。

まず結衣ちゃんに『距離を置こう』とはっきり言うことは論外だ。そんなことをしたら結衣ちゃんは傷つくだろうし何よりこれは僕の問題だ。僕が誰にも迷惑をかけずに解決する義務がある。

ここでの改善すべき問題点は僕の気弱な性格にある。昔いじめられたせいか怖そうな人には常人以上に恐怖心を抱くようになった。

性格の改善は普通にしていてもまずできないだろう。生活環境を変えるしかないと思う。

そういえばかの有名な日本のプロボクサーは高校時代いじめられていて、いじめられないように強くなるためにボクシングを習ったと聞く。

ボクシングか・・・・・・。やってみたら精神的にも肉体的にも強くなるだろうか?

けどうちの高校にボクシング部はない。と、なると空手部か柔道部、剣道部といったところか。

とりあえず今日は部活動紹介という学校の行事がある。それを見てから考えるとするか。




「おはよう。結衣ちゃん」

「おはよう美咲君」


昨日いきなり帰ったから何か聞いてくるかと身構えていたけどそうでもなかった。特に昨日の質問を今日もしてこなくてよかったと思っている。昨日の話の内容はいまだによくわかっていないのだ。不幸中の幸いとはこのことをいうのだな。


「ねえ美咲君。今日は放課後あいているかな?」

「うん。あいてるよ。何か用事でもあるの?」


美咲ちゃんは頬を紅潮し学生鞄を持った手とスカートからでているきれいな足をもじもじしている。

一般人がこの結衣ちゃんを見たら十人中十人がかわいいと断言するだろう。

だが現実はそこまで甘くはない。


「実はね、ここ最近やっていないと思うんだ。だから結構たまってるの」

「ナニガデスカ?」

「SMプレイ」


前言撤回。

不幸中の幸いではなかった。


「僕に拒否権は――――」

「ないよ」

「今日は用事が――――」

「ないでしょ」

「今日は部活動見学をしたいんだ!」

「明日すればいいでしょ」

「今日は・・・・・・」

「ねえ、美咲君」


結衣ちゃんは笑顔で、しかしいつもとは違う悪魔のような笑顔でいった。


「この私にいつまでしゃべらせるつもりなの奴隷の分際で」


絶対零度の瞳と本当の悪魔でもだせないような怖い声で処刑宣告をされた。

結衣ちゃんは既に成っている。SMプレイ状態の女王様バージョンだ。

だめだもう返す言葉がない。確かにここ最近あまりやられてないなと思った。受験勉強のおかげで。そうか、だったら感謝しなくちゃだな受験に。ありがとう受験、そしてさようなら。


「わかりました結衣様」

「そう。わかればいいのよ」


そういうと結衣様はいつもの結衣ちゃんに戻った。

やっぱり彼女とは距離をとったほうがいいな。




それから後のことはよく覚えていない。そういえば昨日の入学式の日もよく覚えていなかったな。つらいことや苦しいことがこの学校が終わった後にあるんだと思うとそっちに思考がまわって何かを記憶することができない。

今の自分は顔色が悪いからか先生から保健室にいくことを何回かすすめられた。

ちなみに結衣ちゃんからもすすめられた。

誰のせいだと思っているのだろうか。

けど、今この時間だけを集中して話を聞かなければならない。

もうすぐ部活動紹介が始まる。

新入生全員は体育館に集まって座っている。中には体操座りをせずにあぐらをかいているものもいる。

もし僕が部活動に入ったら放課後は確実に部活が入る。だから今日のように結衣ちゃんに誘われることもないだろう。さらに休日もたいていは練習があるだろう。そうしたらますます結衣ちゃんと一緒になる時間が減って確実に距離を置くことになる。

これはチャンスだ。




運動部の紹介が終わり文化部の紹介に入ろうとしていた。

僕が期待していた空手部と柔道部の紹介はなかった。いや、正確にいえば予定ではあった。

紹介が始まろうとしたときに両方の部活の部員はいなかった。

おそらく部員全員が不良なのだろう。だるいから出席しなかった。多分そんな感じだと思う。先生達もすぐに次の部活にまわしたからこういうことには慣れているのだろう。

ちなみに剣道部はやばかった。ある意味あれはやばかった。

だって坊主の剣道部部長がいった最初の言葉が『熱い汗をかきながら互いの剣をつきあおうぜ』だ。

そのとき背中に寒気がした。

しかも剣道部の紹介中にちらちらとこっちを見ていたような気がする。頼むから気のせいであって欲しい。


「では次に数学研究会の紹介をお願いします」


数学研究会?何をする部活だ。科学や歴史を研究するのならわかる。数学を研究するなんておもしろいのかそれ。素直に頭がおかしいと思った。

数学研究会の部長らしき人が前に出てくる。新入生の女子達がひそひそと話し始める。中には頬を真っ赤にした女子だっている。

それもそのはず。何故ならその人はものすごくかっこいいからだ。

黒色のストレートの髪で顔がきれいに整っている。身長は180cmは超えていて体格はやせすぎず太りすぎていなく引き締まっている。まるで長距離の陸上選手のような体格だ。一つ一つの動作が綺麗で見惚れてしまう。

男である僕が嫉妬よりも先に驚愕の感情を抱くほどその先輩はすごくかっこよかった。



「私は数学研究会の部長の水無月壮馬です。よろしくお願いします」



あいからわずの駄文ですが感想等よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ