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数学研究会の変態日和  作者: 不完全な世界
第二章 選択の犠牲
11/21

なんなんだろう数学研究会

更新遅れました。申し訳ありません!

メイドさんがいた。だからとりあえずドアを閉めた。

ああ、疲れすぎて幻覚を見てしまった・・・・・・。

きっと今の僕はあまりにも疲れていて実際に見えていないものが見えているんだな。

目の奥を指でほぐしてなるべく疲れをとる。

気を取り直してまたドアを開けてみたらまだメイドさんがいた。


「おかえりなさいませ。君が新しく入部してきた部員さんですね。私は二年生の佐々木奈央です。見ての通り私はメイドなのでなんでもお願いしていいですよ」


うん。これは幻覚だな。もうぼろぼろだな僕は。ふはははははは。

さて、現実逃避はここまでにしておくか。

・・・・・・というかこの先輩とってもかわいいな。

濃淡のある黒色のショートカットの髪型で顔がものすごく整っている。それも美少女という整いかたではなく癒し系のような顔のつくりだ。目がとても優しい感じをかもしだしていて誰がみても優しそうというイメージをもつだろう。

それにスタイルが見ただけでわかるぐらいにいい。胸は小さくもなく大きくもなく、かといって平均的な女子の大きさというわけではない、丁度いい大きさだ。

足はにくずきがよく、かといって十分に引き締まっていて指で押せばものすごく押しかえしてきそうだ。もう、わしづかみなんかしたら手のひらいっぱいに感応的なふとももの感触が広がって頭がおかしくなりそうだ。

そんな先輩がかなりふりふりのメイド服で目の前にいるのだからどきどきする。


「僕は昨日入部したばかりの一年の普通科の佐藤美咲です。よろしくお願いしま、ってなにしてんですか?」


自己紹介を終えようとする前に佐々木先輩が顔をぎゅーっと近づけてきた。

いや、その。結構いい匂いがするんですけど。

佐々木先輩の顔が目の前に近づいてきてただでさえどきまぎしているというのに、佐々木先輩の甘い匂いが僕の鼻孔をくすぐることによって軽く頭がくらくらしてくる。


「さ、佐々木先輩。何で顔を近づけているんですかっ?」


すると佐々木先輩はあどけない無邪気な顔で、


「お願いすることはありますか?」

「・・・・・・ないです」

「なにかお願いするまでは離れませんよ」


困ったなこれは。

別に改善策がないわけではない。

僕と佐々木先輩では身長差があるため、顔を近づけるためには必ずかかとを上げる必要がある。だから僕がこのまま黙秘を続けていれば疲れて顔を離してくれるだろう。実際今の段階で足がぷるぷるしているし。ものすごくきつそうなのが顔を見ただけでわかるし。

けどその選択をしても根本的な解決にはならないから意味がないかもしれない。

つまり適当なことでもいいからお願いをしなければこの問題は解決しないということだ。


「じゃあ紅茶を淹れてくれますか」

「そんなことならお安い御用です!紅茶ができるまでに時間があるので世間話でもしましょうか」


嬉しそうに紅茶を淹れるためにガスコンロなどの道具を用意し始める佐々木先輩。

お湯をわかし始めるが、お湯が沸騰するためには数分必要になるので席に座って向かい合ってきた。


「そういえば佐藤君はどんな性癖をお持ちなんですか?」


いきなりぶっとんだ世間話をしたものだな!


「誤解してもらっては困りますが僕はなんの性癖をもってませんよ。いいですか、これは本当です。本当ですから信じてくださいね!」

「またまたご冗談をー」

「いえいえ、冗談なんかじゃありませんよ」

「じゃ交換条件です!私の性癖もご紹介しますんであなたの性癖も教えてください!」

「なんですかその好きな人を教えあうようなノリは!」


世界中探しても自分の性癖を教えあう人達っていないだろう。

そんなことよりもこの人の性癖はあまり聞きたくない。あの水無月先輩が賞賛するぐらいの変態なのだこの人は。

そんな変態の性癖に関する話題に入ってみろ。間違いなく心が崩壊するだろう。そして最悪の場合洗脳される。

もし、僕が水無月先輩に洗脳されてみろ。いつもブーメランパンツをはきながら登校し、授業中もブーメランパンツ、下校ももちろんブーメランパンツという考えただけで寒気がする生活を送ることになる。本当、どうかしてる。


「ほら、そんなことよりもお湯が沸いていますよ。火を止めなくていいんですか」


とりあえず話題を少しでもそらすために言ってみた。実際もうお湯沸いているし。

佐々木先輩は話題に集中していたためかお湯のことには気づいていなかったようだ。少し驚いて火を止めに行って、紅茶を淹れている。


「佐藤君どうぞ。少し熱すぎるかもしれませんが」


そういって紅茶を差し出してくる佐々木先輩。その行動とメイド服が妙にマッチしていて数秒間見惚れてしまうがこの先輩も変態だということを思い出して正気に戻った。


「どうしても性癖を教えてくれないんですかー」


ほおを膨らませて、ぷんぷん怒っている佐々木先輩。


「だから僕は変態ではないって何回言えばわかるんですか」


まったく。参ったものだ。


「あ!そういえば会長さんから佐藤君のことについて聞いたんですけど・・・・・・」

「会長さんって、水無月先輩のことですよね。あの人が僕に関して何か言っていたんですか?」

「確か剣道部主将の前中駿河さんと仲がいいっていってました」

「・・・・・・。別に仲がいいってわけではありませんよ」


例の剣道部主将、前中先輩が僕に対して関心を抱いているのはおそらくとは思うが本当だろう。

それだけを聞いても何も問題がないだろう。しかし、多分前中先輩は男好きのBLなんだ。間違ったら失礼だけど。


「あ、そういえば!確か既に前中先輩と佐藤君は一夜を共にした関係だって言っていました!」

「ぶーーーーー!!」


は?!何言ってんだあの人!何故?!僕と前中先輩が一夜を共にしたって?!どういう意味だ!誰かあの人捕まえろ!

思いっきり飲んでいた紅茶を吹きだしてしまったじゃないか。せっかく佐々木先輩が淹れてくれたというのに。紅茶の味を楽しむことができなかったよ。というよりびっくりしすぎてもうなんの味だかわかんないよ!


「すいません佐々木先輩!せっかく淹れてくれた紅茶を・・・・・・」


やってしまった。

僕と佐々木先輩は向かい合うようにしてイスに座っていたのだ。そして僕はさっき紅茶を吹きだしてしまった。

普通、人間は真正面を向きながら飲み物を飲むだろう。つまり吹きだしたときも真正面にふきだすことになる。

結論からいうと、佐々木先輩に紅茶を吹きだしてしまった。

佐々木先輩は顔とメイド服を濡らして驚いた表情で僕を見つめていた。

かわいい顔とふりふりのメイド服が見事に紅茶色に染まってしまい、悲惨な状態になっている。

ふっ。終わったな。最低でも平手うちか・・・・・・。


「・・・・・・熱いです」

「えっ。熱かったですか!すいませんでした!」


とりあえず席をたって腰をエビのように折り曲げた。

しばらく何も変化がなかったのでおそるおそる、視線を上にあげてみると、佐々木先輩は顔を下に向けたまま、びくびくと震えていた。

終わりだな。僕の学校生活。


「とても、気持ちよかったです・・・・・・佐藤君」

「そうですか。そんなに気持ちよかったんですか」

「はい。口に含んだアツアツの紅茶をぶっかけるというプレイは想像もしたことがありませんでした。しかもいきなりぶっかけられたので思わずびくんびくんしてしまいました」

「・・・・・・びくんびくんしたんですか」

「こんなに悦んだのは今までなかったです」

「悦んだんですか。それは大変なことをしてしまいました」


僕は・・・・・・。僕はいきなり佐々木先輩にアツアツの紅茶をぶっかけたことにより、佐々木先輩は今まで体験したことのない悦びを感じてしまった。しかもそれは想像もしたことのないプレイだったらしい。ああ、僕はなんてことをしてしまったんだ。こんな優しそうな先輩に対して・・・・・・。

僕は罪を犯してしまった。この罪はどうやったら償うことができるのだろうか?

・・・・・・ん?

何なんだ!この釈然としない感じは?!何かおかしなところがあったような・・・・・・。

確か、『気持ちよかったです』『びくんびくんしてしまいました』『悦んだ』それに対し僕が行った行動は『口に含んだアツアツの紅茶をぶっかけるというプレイ』。このことから想定されるワードは・・・・・・。

だめだ!脳がこれ以上の詮索はやめろと思考回路を遮断している!けど僕はその先を知る必要があるんだ!きっとその先に僕がこの罪を償う方法があるはずなんだ・・・・・・!だからっ!


「佐々木先輩・・・・・・」

「はい?なんですか?」


佐々木先輩は顔を赤くしていた。そう、まるで何か興奮しているように。


「あなたは・・・・・・。ドMですか?」 


僕は、この結論がどうか間違ってほしいと祈りながら質問した。

その祈りは無意味なものだと知っていながら。



美咲君は最終的にはドMにはなりません。美咲君のドMプレイを期待していた皆さん方、申し訳ありませんwww

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