出会いの終了
「いぃぃぃふぃぃいいぃいぃいいいいいいやあやああぁあぁぁあぁぁぁ!!!!!」
帰宅しているとどうも住宅地から煙が上がっている。僕の家の方面だったから物騒だなと思っていたが、近づくに連れて僕の家のすぐ近くから煙が出ていた。って言うかモロっぽかった。
「ええええぇぇぇぇぇぇいえぇいえいえいえいいいいいややあやああぁぁあ!!!!」
そんな訳で僕は情けない声をあげながら、ダッシュした。え、嘘だろ。これ現実かよおいおい。だって、え、燃えるの?ベットとか僕の部屋とか教科書とか。っていうか思い出っていうかこれからどうすんのぼくぼくぼくぼく。なんてパニック。消防車をよぶんだ、もしかしたらだおい。たすかるんだおい。神様神様チンクルホイ。
家の前に付き、119を押す一歩手前で気が付いた。
家が燃えている訳じゃなく、玄関で煙が出ているだけだと。そして、その前に女子高生が一人座っている事も。
「おい、知り合いが放火とかシャレにならんぞ」
「物騒な事言わないでちょうだい。というかさっきの声情けなさすぎるでしょう……」
いや、普通家から煙でたらこの位驚くだろ。むしろお前が驚かしてんだよ。
「で、お前は何をやってるんだ?」
「見ての通りよ」
神田は両手に持ったものを見せて来た。左手に葉っぱ、右手にライター。
「それ確実に僕の家燃やしに来てるじゃん」
「無知って恐いわね、ノミ取りよ」
「無知より非常識の方が問題だろ。 つーか燃やしたらノミと一緒に猫も燃えるぞ」
「煙でいぶすと動物からノミが居なくなるのよ。 EUとINDEXでは常識」
「ラノベ知識は常識じゃねーよ」
一歩ミスると猫が死んで家が燃える。これが常識。
僕は神田からライターを取り上げると、むすっとした顔をしやがった。なんでこいつこんな自分勝手なんだよ。被害者ぼくなんすけど。
取りあえず後始末をする事にして、お水を用意する為に風呂場から桶を持ってくる。そんで、玄関前の煙発生源にぶっかける。
じゅわー。
よし、消化完了。
……おい!水位用意してやれよ!なんで僕が水を用意してんだよ。え、マジで燃やしに来たのこの子?
僕が非難の目を向けると、神田はバツが悪そうに横を向き、「役に立ちたかったのよ」ともらした。
「私の我儘で此処にこの子を置いてもらうのに、ご飯代しか出さないなんて事は出来ないと思って……。私なりに考えたんだけど、良くなかったみたいね。ごめんなさい」
シュンとなってしまった。
「……まぁ別に、それなら次から気を付けてくれればいいから」
無事だったから、いいんだけどさ。そう僕が言うと神田は「もうやめろ」と言われるのを予想していたのか、少しビックリした後、嬉しそうに顔をほころばせた。
「これからよろしくね。吉田君」
そう言って右手を差し出してきた。 何この展開?僕は釈然としない気持ちを胸に取りあえずは秘めて置く事にして、右手をさしだす。
「敷地に入る前は、僕の許可を取ってくれ」
取りあえずそれはルールって事で。
あ、「泣いた鬼がすぐ笑う」って奴だこれ。
ありがとうございます。
ここまで一応一区切りだなと感じましたのでご挨拶を。
こんにちわ。作者です。
最近景気の方は皆様いかがでしょうか。私はボチボチです。
では。