そして
『こちらに生まれ変わっておいででしたのね』って、どゆことですか~~~???
ぱかーん・あーんぐり口をあけて驚いてしまいました。ただ今私、絶賛間抜け面を晒しております。私の隣では、ショウくんも驚いていますが、元が美形なだけに驚き顔も素敵です☆
「えーと、これってどーゆー状況?」
反対隣りのメグちゃんに尋ねました。
「ま、死に別れただんなだってことよ。さっき見えた絆はこれだったんだわ」
腕組みしてメグちゃんは言いました。
すると、私たちの会話を聞いたケンタウリ公が、支えられていたショウくんの手から離れ、こちらに向き直りました。
「おっしゃる通りです。ああ、今になって記憶が蘇りました。私は転生者だったのです。前世の記憶のないままに今まで生きてきましたが、きっかけがこのように現れたことで思い出しました。……私は前世、このアンドロメダの夫で、あの子たちの父親だったのです。流行り病に倒れてしまい、妻や子供のことを気がかりに思いながらも先立ってしまった……」
悲しげに、顔半分を片手で覆ってしまいました。
「それは仕方のないことですわ。大丈夫、もうこちらで出会えたのですから」
項垂れてしまった公爵様の手を自分の手で包みながら、アンドロメダさんは優しく笑いかけています。
愛ですよ、愛!! あ~、ここんところめっきり涙腺弱くなってるリサちゃん、泣いちゃいますよ~。
そんなアンドロメダさんの優しさに、
「ああ、私がいなくなってからのことはまたゆっくりと聞かせてもらうよ。で、もう私のプロポーズを断る理由はないよね?」
「ええ、もちろんですよ」
「ではとりあえず国へ帰るとしよう。さ、色々と忙しくなるぞ」
嬉しそうに顔を綻ばせて公爵様は立ち上がり、それからアンドロメダさんに手を貸し立ち上がらせました。そして、子供たちに向かって、
「お前たちにいつでも会えるように、国境にほど近いところに離宮を作ろう。いつでも遊びにおいで。でも、こちらのご両親の手伝いもきちんとするんだよ」
そう言ってベガとアルタイルを抱き寄せました。
「はい、お父様」
「うん、父上、僕も頑張ります」
公爵様とアンドロメダさんは、近くに待機していた馬車でケンタウロス公国に帰って行きました。
走り去る馬車を見送りながら、メグちゃんは姉弟に話しかけました。
「よかったわね、あんたたち。お母さんどころかお父さんにまで会えたじゃない。色々丸く収まったしね」
「はい。ありがとうございました」
幸せそうに笑いながらぺこりとお辞儀をするベガとアルタイルでした。
ひと月後。公爵様はスピカ王国との国境、あの姉弟の住む村のすぐ近くに、小さな家を建てました。離宮というよりこじんまりとした『家』という感じです。ささやかな庭にささやかな家。家族4人が仲良く過ごせる家です。こちらの家族のこともありますから、そんなにしばしばではありませんが、折に触れ前世の家族4人で仲良く過ごしているらしいです。
ふた月後。公爵様の婚姻が発表されました。もちろんお相手はアンドロメダさんなんですが、いつの間にか宰相様の養女格になっていました。あれ? 出世した?
メグちゃんが言うには、「やっとお妃を娶る気になってくれたんだから、後見させてくれと言い張ったらしい」です。宰相様、公爵様のお父様と言ってもいい歳なので、我が子のように公爵様のことを思われているそうです。ま、アンドロメダさんが幸せになるなら、それでいいと思います。
ささやかな披露宴だけの地味婚でしたが、とっても幸せそうな二人が印象的でした。なぜ知ってるかって? それはもちろん招待されたからですよ~。一般庶民ですけどね、今回は特別枠で。ついでに美味しいものをいっぱい食べてきました☆
三月後。公妃様のご懐妊の知らせが届きました。
「懐妊はやー」
「ま、公国としては待ちに待ったお妃様だものね。次はお世継ぎ! ってなるでしょうが」
「そうですねー」
「じゃあ、ベガちゃんとアルタイルくんには弟か妹になるのかしら?」
「こちらでの血のつながりはないけどね。精神的には兄妹だね」
「ややこしやー」
まったりのんびり、お茶とお菓子を楽しみながら、私たちは届いた知らせについて花を咲かせました。
9か月後。元気な王子誕生の知らせが舞い込んできました。
「お世継ぎ誕生かぁ。これで公国も安泰ですね」
「そおね。アンドロメダ、頑張ったわね」
「ほんとほんと。でも、アンドロメダさんていくつなんだろ? ワタシ的には30~40と見たんだけど」
「アンドロメダは32よ」
「すごー!! メグちゃん、それってスキャンでわかるの?」
「まあね」
「じゃあ、メグちゃんの前ではサバ読めないね!!」
「読む必要無いでしょ。そーいやリサ、もうすぐ21だね」
「あー、ほんとだー。忘れてたー」
最近、『魔女☆メグの家』は平和です☆
今日もありがとうございました(^^)




