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私が私でいるために~そして凶刃は~side to she

とある酒場にて

「久しぶりだな、どうしたよ」

「どうしたもこうしたもな、依頼主がおっちんじまったんだよ」

「じゃ依頼は取り消しか」

「いや、途中までの成果として半分はふんだくってやったよ」

「そうか、飲むかその金で」

「いいね、飲もうぜ朝までパっーと」

sidechangetoshe

「で、結局彼は最後の答えを聞けずじまいだった。でもその権利、私にもあるよね」

私は、リップル・ファートの姿に自分が変わったこと悟った。

「どうしてをそう思うの?」

「私もリップル・ファートだから、じゃダメかしら?」

「あなたはリルファじゃないの?」

私は彼女に背を向けながら言う。

「リップル・ファートでもあるわ」

「そうね。あなたには知る権利があるわ」

「私はリップル・ファートで私はリルファ。これが答えでいいのかしら」

「いまは、ね」

私は彼女に振り向きながら、こう言った。

「あの時なら、私は・・・・で、私は死人といったほうが正しいのでしょう?」

「正解」

パチパチと拍手が鳴らされる。

ただ、なにか軽い。

「じゃあ聞くけど、なんで私は死んでいなかった彼を死んでいたあなたと入れ替えたと思う?」

「彼を守りたかったからじゃないかしら?」

「…その心は?」

「私に、彼の体を預けることで彼の体を現実的な死から回避させて、そして一度死んだ私の体に彼の魂を憑依させることで魂の死を回避しようとしたってところかしら、よくも悪くも死者の体に入った魂は死者の体に引きずられたりはしないから」

「よくできました。じゃあ聞くけど、私が彼にそこまでする理由ってあると思う?」

「…彼を知っている?…いえ彼の前世で知り合いだった?」

「近いけど、私のお兄さんになってくれた人って言ったら分かりやすいかな」

「進む女神ととどまる神たちの話ね。…でもその話に出てくるあなたのお兄さんって、まさか?!」

「そのまさか」

「そうなの、じゃあ私が出会ったあの人が…」

突然指が私の口に押し当てられる。

「そこまでだよ。それ以上はこれからリルファ=リップル・ファートとして生きるあなたには、関係のないことだよ」

そう言って、指を離す、

「ほら、そろそろお目覚めの時間だよ」

「…ありがとう」

「何の話かな?」

わたしはそんな言葉を聞きながら暗闇に身を委ねた。




再び目を開くと見えたのは、

「あ、りす?」

再び会うことはないでろうと思っていた。

親友の顔だった。

「目が覚めたの?リップル」

「ありす」

「よかった、あなたの傷がなかなか治らなくて。私も回復魔法使ったんだけど全然効いて、なくて。また、目の前でなくしちゃうのかと思ったら目の前が真っ暗に、なって。それで…っ!」

泣きそうな、彼女の口を人差し指で抑える。

あの時と同じだった、でも今私は生きている、死にかけじゃない。

その動作で気づいたようだ、私が私だということに。

「リルファ?」

「ありす、なかないで」

久方ぶりに自分の口から出た言葉は、たどたどしく自分の意思をうまく伝えられない。

「リルファ…なの?」

頷いて答える。

そう答えたら、抱きしめられた。体の節々が痛む。

「いたい、いたい」

なんとか痛いということをたどたどしく伝え、離してもらう。

「ごめんね。手を離したらいなくなっちゃうんじゃないかって、不安になってね」

「だいじょうぶ、もういなくならない」

弱々しい動きで、差し出した右手を彼女はしっかりと両手でとってくれた。

千年前の続きがここにあった。

私たちは泣きながら笑っていた。

次回異世界トリップのエルフエピローグとなります

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