表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/44

私が私でいるために~教国は揺れて、教えは歪んで~後編

次がリップル・ファート最終話となります。

「せ、精算だと?なんのことだ」

「この国の混血への排斥運動の煽動。そして、神官リルファの殺害についてかな」

「な、何の話だ」

「さっきあんたが自分で言ってたでしょ。それともシラをきるつもり?」

「私の独り言だ。貴様に聞かれたとて証拠にはならんよ」

「そ、ならとっておきの呪いをあげる」

そう言いながら、アリスは大司教に近づくと奇妙な呪文を唱えた。

「なにをした?!」

「簡単な術。あなたがかけた術であなた以外の何者かが誰かを傷つけた場合。その傷がそっくりそのままあなたにも返ってきます」

それが意味するところはつまり、

「あなたが何もやましいことをしていないのなら、その術は死ぬまで発動しません。しかし、なにかしているのなら今すぐに解いたほうがいいですよ」

「………」

彼は動けない、動けるはずがなかった。

自分で設定してしまったのだから、たとえ死んでも事を成すように、と。

もはや彼に打つ手はなかった。




sidechangetoリップル・ファート

いつもの宿屋にて私たちは集まって話し合っていた。

「勇者が来るの?」

「ええそうです。リルファのことで話し合いがしたいと」

「話し合いになると思う?」

「少なくとも殺し合いにはならないでしょう」

「そうだといいけどね」

私は溜息を吐く。

私の不安な的中するのかどうなのかはわからないが、勇者の妹の予言が変わっていたのが気になる。

「避けられない運命があなたをおそう。しかし決して背は向けてはならない。死神の鎌は貴方の背を常に狙っているのだから、それさえ気を付ければ自ずと活路は開ける」

できれば、その運命すらやってきてほしくないのだが、まぁやってきてしまうものは仕方がない。

「抗ってみましょうか」

ほくそ笑んで、翌日を待った。




翌日その運命とやらが来た。

彼が運命のようだ。

決して背を向けず彼を見ていなっければならない。

意外と面倒なことになってきたのかもしれない。

「はじめまして、教国の勇者と聖女様」

軽く会釈をしておく。

そのまま案内を、マイカに任せ私は後から入っていく。

聖女が?って顔していたけど気にしない。

私の命がかかっているのだから。

勇者に背を見せないようにしつつ、不自然に見えない動作で座る。

勇者は気がついたようだが何も言ってこない。

悪い方向で、何かを悟っているのかもしれない。

考えすぎても仕方がない。

今はこの難局を乗り切ることだけを考えよう。

そして、道は

運命は、


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ