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兎にも角にも王都!5

と言うことで聖女との対談+αです

「その根拠と信頼度は?」

いち早く驚きから立ち直った聖女が店主に尋ねる。

「根拠は、その笛に必要な金属。あれは国が保管する義務があったはずだし、ましてや作れるだけの量は裏でもそうそう出回ることはないし、そんな世界の住人がこんなへまをするはずがない。信頼度は、かなり高いわ。それなりの所からの話だしね」

店主はよどみなく答える。その表情はふざけているが言葉自体は真剣だった。

「そんなに欲しかったのですか?」

「さあ、少なくともあたしから見れば、おもちゃがなんでも手に入る子供にしか見えないね。あんな代物手に入れたあとが問題なんだ。あの子供王はそれを考えてすらいない」

「どこまでもあの頃のまま…というわけですか」

聖女がため息をつくと皆の耳に聞こえたなんで、と誰かがつぶやく声。それが誰なのか確認しなくてもわかった。

「なんで、あんなものを欲しがるの?あんなもの使えばどうなるか判るのになんで?王なら災禍を知らないはずがないのになんで?」

涙声になりながら呟いていたその言葉にかける言葉がみつからなかった。

皆が動けずいた中で、聖女だけが動き彼女をしっかり抱きしめ、頭をなで続けた。




「落ち着きましたか?」

しばらくの間頭をなでられていたマイカは、この言葉に小さく頷いた。

「落ち着いた。だから、「離しません」ッ~!」

真っ赤になりながら、何とか離れようとするマイカとそれを脅威の先読みでくっつく聖女。

私達は完璧に放置されていた。

ようやく離れたマイカは、聖女から距離をとり、流れる川のように煌めく髪をふりながら、何事かをつぶやいていた。

内容はともかく立ち直れたことだけ判ればいいやと考え話を戻す。

『話を戻すけど、これからどうしたらいい?』

聖女に尋ねると彼女は静かに微笑みながら、

「今のところ現状維持ですね。状況証拠しかなく物的証拠もないのでは、トカゲのしっぽ切りをされるのがオチですから」

ちらりと笛を見ながら、言った。

「それでもたとえそれが誰かの持ち物であろうとも、彼なら欲しがるでしょうね。自分に手に入らないものはなにもないって思っている人ですから」

『囮になれと?』

「そんなこと言うつもりはありません。ですが十分に注意はしておいたほうがよろしいかと」

微笑んだままの顔ソレ自体は聖女だったが、背後に黒さが見えるような気がした。

「黒いね」

ぽそっとつぶやいやたのは、誰だったのかはわからない。




夜も深けて宿屋の一室、リップルはぐっすり寝ていた。笛は既に手放している。

その一室に黒い影が三つ侵入してきた。

勇者が残した知識の悪用した形、隠密というものだった。

隠密とはいえやることは、暗殺と強奪のみだ。この国の王は情報戦を重視しないタイプだった。

それでも貴族たちのネットワークから得た、その笛の存在は王にとって喜ぶべきものだった。

王は大きな子供だったそれを止める者もいなかったが故に、欲しいものはなんでも手に入れてきた。

貴族はそのおこぼれに群がるだけのまさに寄生虫とかしていた。

故にこれは必然だった。

音もなく部屋に侵入した彼らは、まず笛を手にしそれを袋に入れた。

しかしこれでは主の望みは果たされない。使えないのだから当たり前だ。

故に刃を持った二人がそのエルフのもとへ忍び寄り、その凶刃をエルフめがけて振り下ろそうとした。

しかしその刃は彼女に届くことはなかった否振り下ろされることさえなかった。

何者か、いや黒い人型の影というべき存在がベットの向こう側の壁より現れて、二人を地面に叩きつけた。

「何をしているのかな?君たちは」

その黒い人影は底なしの殺気を放ち、隠密たちはとうの昔に忘れたはずの恐怖心を呼び起こされた。

「ッ!」

叩きつけられた男たちは、即座に起き上がりその刃を人影の首に向けた。

そしてその無慈悲な刃が人影の首をはねるはずだったが、逆に隠密二人の首があってはならぬ方へとへし折られていた。

残った隠密は、人影とエルフに何度も視線を往復させた。

何度も何度もだ。考えがまとまってくれないのだろう。

そしてのこった一人は逃げた。ハイリスクノーリターンでは、無理もない話だろう。

「あ、そうそう、あなたがもし今いる場所にいられなくなったら、フェー・ギフトに行きなさい。きっとあなたを助けてくれるから」

逃げた本人には届かないであろうつぶやきを漏らしながら、私の方へ歩いてくる。その人影は私のベットに肘を付きながら、

「ねぇ、起きたんでしょ。なんで戦わないの?」

と訪ねてきた。その問に私は伝える。

『取り押さえるつもりだった。私の氷はから逃げられる人は少ない』

シーツをめくり、先程からずっと抱きしめていたあの杖を見せる。

「そ、でもあんまり無茶はして欲しくないなぁ。私はあなたを助けたのだから」

『…今?それとも「この世界に来る前から」ッ?!』

どういうことだ?この世界に来る前から?

「言葉のまんま、私はあなたが生まれてから、いえ生まれ変わる前からあなたを見てきた。見守ってきた」

『意味がわからない』

「わからなくていいのあなたは…あ、それとあなたに渡すものがったわ」

そう言って、人影はつま先で二度床を鳴らす。

その音に呼応するかのように、人影の足元から何かが飛びついてきた。

顔を上げればそこにあったのは、

狼…真っ黒な狼の形押した何かだった。

「名前は黄狼コウロウ、あなたの忠犬よ」

その狼は嬉しそうに私の顔を舐めてくる。

「じゃあまたいつか、どこかで会いましょう」

そして、その人影は、闇に没し消えた事切れた隠密とともに。私はその狼を押しのけ起き上がりながら伝えた。

『ついてきてくれる?』

その狼は一回だけ小さく吠えお座りしたまま私の方を見ていた。

なにが何やらわからないが、

『寝よう』

そのままシーツを再びかぶり寝ることにした。

この後、王都編を続けるべきかこの人影の話を入れるべきか悩んでいます。

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