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兎にも角にも王都!2

今回一番最長になりました

色々あらがあるかもしれませんがご了承ください

『狼退治?』

「そ、正確にはバウルの群退治ね」

朝、新しい武器を担いでギルドに行き、複数のメンバーが何やら作戦会議をしているのを横目で見ながら掲示板に張ってある張り紙を眺めていたら、受付の人がやってきて、バウル退治をやってみないか?と言われた。(その際に見せられた絵が狼にそっくりだったため狼と呼んでしまった。気がつかれていたが無視してくれたようだ。)

珍しく、(他のメンバーは用事があったため来れず)私一人だけであり、ひとりでできるの?と訪ねた。

「そうね……だったら、ほかのチームに手伝ってもらったらどうかしら」

『ほかのチームに?いいんですか?』

「ん~、フツーはダメなんだけどね。今回みたいな数が多い時は、複数のチームで当たることはザラよ

。それに、あなたは後衛でしょ、前衛が何人か欲しくない?」

詳しく説明すれば、強制参加せざるえない。魔物の襲来などの演習の役割も果たしているのだ。

気心の知れた仲ではない者たちとどのように連携するのか、また、そんな時に自分はどう立ち回るべきなのか、そのようなことを把握することが副目的と言えるだろう。

主目的は、複数で当たらせることで、確実に依頼を解決してもらうためだ。

数の多さというのは、格下ですら格上のものを被害を抑えつつ倒す事ができる。

上位になればなるほど貴重なのだ。その貴重な上位を一回で潰れないように負担の軽減する意味も持つ。

まあ、確かにそうなのだが、あまりやる気のない人、やる気がありすぎる人は来て欲しくない。

やる気のない人は、こっちが苦労しているのに全く我関せずを貫くだろうし、やる気がありすぎる人は、こっちにそのとばっちりが回ってきていることにさっぱり気がつかないまま、被害を増やしていく。

(パーティーをしっかりわかってくれている方がいいんだけどねぇ)

かくして、張り紙に追加事項が書き加えられて掲示板に張り出された。

まともな人が来てくれますようにと祈った。

しかし、現実は甘くないようで、来たのは新入りと問題のあるチームだけだった。

ため息しかでないが、慰めに来てくれる人はひとりもいなかった。




来たチームの説明をしよう。

チーム【ハイエナ】

大剣と大鎧の四人組であり、持っているスキルは、強攻撃、必殺、アタックアップの魔法という短期決戦向きなスキル構成だ。受付の方が少し怯えている、強引に押し切られたようだ。

チーム混合戦専門と自称している。

前は別な名前があったようだが、今はこっちにしているらしい。理由は、かっこいいと組んだチームから言われたからだそうだ。断言しよう、こいつら確実にハゲタカプレイ(ほかのキャラクターで削ってから止めを指すプレイだが、この場合は横取り専門といったほうが正しい)プレイをする奴らだと。だって、組んだチーム全員に言われてるんだぜ、ハイエナって。実際のハイエナはそうじゃないらしいが詳しくは知らん。

次チーム【アサルト】

片手剣に身軽な軽装のリーダー(男)スキルは身軽、挑発、瞬剣という構成。ガード系がないので少し不安だ。

次に弓使い(双子?の男)、同じく軽装で魔力弓(魔力で矢を作り放つ、ダメージは物理)を使う、軽装の弓士でスキルは精密、移動攻撃(移動中攻撃可)、連射(単発で複数の矢を射る)。

最後の一人は同じく軽装の魔法使い(女性)でメイス持ち、スキルは、痛撃(鈍器系感覚ダメージの継続時間UP)、回復魔法R3、精密、風魔法R3で、この三人は見事にサポートに徹している。問題なのは火力と面制圧率だろう。多分こっちも複数相手には、向いていない。

こちらもチーム名は他者からの推薦、リーダーが突撃隊長で、そのフォローがメンバーの主な役割らしい。バウルに対する注意事項もどこ吹く風である。精神論で全て片付けるらしい。気が重くなってきた

最後チーム【グロウ】

リーダーはランスと大楯の重装備、スキルも挑発、鉄壁のまもり重視である

次に片手剣の軽戦士の男、スキルは警戒、盗賊技能でスカウト的な役割を持っているのだろう

その次は弓士の娘、軽装の実矢である。スキルは精密、物持ちR2(通常より多く消耗品を持てる)の支援タイプみたいだ。

最後に神官風の娘、神官服を着ている。スキルは回復魔法R4、光魔法R1で回復の要だろう。

どんよりしてる。まあ、頑張れ、たとえリーダーがF5だったとしても。

ほかの人たちは、私と【グロウ】を見てアチャーという顔をしている。おそらくこれがネトゲで言う地雷というやつなんだろう。胃がなんだか痛むような気がした。

話し合い?全然できませんでした。

「俺、突撃しかしないからからフォローしてくれ」これは、チーム【アサルト】のリーダーの言葉。もう少し考えてください。作戦もへったくれもありゃしない

【ハイエナ】の面々は【グロウ】の女性メンバーをナンパ中だった。もっと他にやるべきことがあるだろうに、いま自分たちに出来ることと役割とかさ、話し合いしときなよ。そうじゃなくたって一番役たたずいなりそうなのにさ。

肩に手が置かれた見ると【アサルト】の残りのメンバーと【グロウ】の男勢が何やら憐れむ目で見てきた。そう思うなら、彼らをなんとかしようとしてください。仕方ないから大まかにやれることは伝えましたがね。どこまで出来ることやら。

他の人たちには伝えなかったのかって?念話ガン無視されましたよ。私は細かいことが苦手ですって、伝えたんだけどね。

不安だ、不安だらけだ。

そんな不安要素を抱えたまま、近くのバウルの多過ぎる群れが見つかったとされるケテルの森へ、入っていく。





で、見事に不安的中。

そんなに軽く言っている場合じゃないんだけどね。

まず森の中でバウルの群れを見つけた瞬間、【アサルト】のリーダーが突撃。

群れがその突撃のせいで各々の方へ逃げてしまった。非難がましい目を向けてもどこ吹く風と回復されては、集まっているところへ突撃して方々へ逃げ出していくまで攻撃をやめないから、結局各個撃破せざる得なくなりました。初手の一撃を私がいれますって、宣言しておいたんだけどなぁ。え?と言われたなら、どうすればいいものかと考えてしまうのですよ。で、苦手な単体対象魔法と【ハイエナ】以外のメンバーで遠距離攻撃です。できない人は、近づいてきたバウルに攻撃してもらい。こちらにこさせないようにしてもらいます。と念話で伝え、実行、あの突撃バカを何とかしてもらいたかったが、今はそんな余裕もなし、後回しです。

あちらは、知恵が回るブレインがいるようでこっちのリソース削りを重点的にやってきている。なにせ突撃バカは戻ってくるたびに、回復が必要なほどのダメージを負わされて追撃もなく戻ってくるのだから、治ったらそのまま突撃。見てる限りじゃ、有効打なんか一つも入れられてない。あちらの方の回避が突撃馬鹿の剣より早いのか?まぁ、有効打になっていないところを見ると、紙一重で避けているんだろう。

なのにこっちは、【アサルト】の残りのメンバーと【グロウ】と私が突撃バカのフォローをしながら、ようやっとあと少しというところで

止めだけをとっても元気で一番力のありそうな【ハイエナ】が大技をわざわざかっこよく決めていく。相手の数が多いのだから、止めは小技でいいんだけどな。長期戦になってるって、気がついてないみたいだ。それ以前にスキル構成自体が長期戦向きではないとわかっていないのかもしれない。

なんかもう負けフラグがビンビンですが、チーム連携の参考になるのを見つけていきますか。あと植物たちが囲まれていると教えてくれているが、みんな話しを聞く余裕なんてないし、聞いても動きそうにないのが五人、もう詰みそう。




えー、参考になるどころか、反面教師にしたほうがいい気がしてきた。

まず、止めしかさしていないチーム【ハイエナ】がダウン。大技ばっかり使ってたから、当たり前だろう。こんなはずでは、何て呻いてないで、回復アイテムを使えば

「ない」「『は?』」「そんなものはない!」いや、ドヤ顔で言われましても、もうアンタらは動いてくれるな。

その動けなくなった【ハイエナ】のフォローとリーダーのサポに追われたチーム【アサルト】の方たちが完璧にダウン。回復アイテムも全部使い切ってしまったようだ。

しばらくは動くことさえできないだろう。あなたたちが一番頑張った、私が保証する。そして、ハイエナお前達は文句しか言えんのか?一番初めに潰れておいて、そのフォローを進んでしてくれていた。優しい人たちを罵るとは何事だ。恥なんてないのか、お前らは。

最後にサポートのなくなって一撃ダウンしたリーダーと、そのリーダーを死ぬ気で連れてきたチーム【グロウ】がダウン。リーダーなら、下がることくらい覚えてくれ。こんなはずじゃあなんて、言ったって、現実は変わらないのだから、そして【グロウ】、あんたらも頑張った。努力賞もんだよ。そこのなんだか元気の有りそうなのは、今はフォローをせんかい、嫌だなんて言ってられる状況か。周りをもっと把握しろ、スカタン。

周りを囲まれ、【ハイエナ】の大剣も切れるどころか、鈍器としてすら、使用不可になり、もう詰んでるとさえ言っていいのかもしれない。でも、かえって好都合だ。

ここに全員いるのなら、他は全て的なのだ

私は細かいことが苦手だ。だから、さっきまでは、単体対象魔法しか使えなかった

今から使うのは、敵味方の区別などない。純粋なる殲滅の魔法である

決められるのは、有効無効範囲だけだ。細かいところまで決められるが、敵か味方かの識別のつく、そんな今時の魔法ではない。それに私はそんなの使えない。

その魔法は、対象を地面に接している面から徐々に氷塊に閉ざすだけだ。

ただし、その氷塊に閉ざされてしまえば、呼吸することはおろか、死ぬ権利すら自身から奪い去られてしまうのだ。

氷塊が溶けきるまでは約十日、内部からはなにもできない。動くことも考えることもだ。

故に、死の抱擁と昔の言葉で名付けられている。

その氷の腕に抱かれたら最後、死への片道切符だ。

一応、チームのみんなに見せたときの反応は、危険だから使うな!である。

今なら使ってもいいだろう、緊急事態だし、周りには的しかいないし。

では、私以外の味方のの足元を凍らせて、移動しないようにして、なんか、【ハイエナ】が文句言ってきたけど、無視させてもらいます。あなた達が、私の念話を無視して動こうとした結果なんだから。

一応、みんなに念話伝えてますよ。

ほとんどの方が返事できませんでしたが、当たり前なのだ。ほかの人たちは、限界ギリギリなんてものはとっくに突破しているのだから、動く事はおろか返事すら暫くは無理だろう。

なのにどうしてそんなに元気なんだよあんたらは、体力回復R7でも付いてんのか、お前ら。

さて、始めますかといいながら、軽く一回転し円を描く。円は青く輝き、私の力を強める。

言祝ことほぐ、優しき水よ。

-杖を大地に突き刺す-

我が声に応えよ。

-突き刺した範囲を中心に不規則なラインが四方八方に伸びる-

その優しさを捨て、我に仇なす、愚かなる獣に等しき眠りを、また、仇なさぬよう。

-遠くから物体が急速に凍りつく音がいくつも聞こえる-

凍れ」

『ごめんね』

そうして、森は静かになった。元の森以上に静かに。




体力と魔力がそこそこ回復したところで、凍りついたバウルたちからどうやって、討伐成功部位を取り出すか悩んでいる、ほかのメンバーをほおっておいて歩き出す。

強化魔法を使いつつ、少し歩いたところにそいつはいた。

両腕と下半身を氷漬けにされた、右手に何かを持つ男だ

実のところずっと気づいていたのだが、統率者が人間だと。獣ではやらないであろう、敗走者の見逃し、そして、適度の痛めつけ、こちらの位置がわかりきっているのに一斉襲撃をしないこと、どれもこれもいたぶるタイプ人間ならば、やりそうなことばかりだ。だから、ブレインは人間だと確信していた。

植物たちに一応、場所も教えていてもらっていたのだ。人間はどこにいるのかと訪ねて、バッチリ位置まで分かっていたが、なかなかタイミングを測れず言い出せなかった。疲弊し始めてからは、言っても意味のないことと考え、言わなかったのだが。

ちなみに、単体対象魔法のターゲッティングも範囲魔法の距離則も、手伝っていてもらったりする

問題は、男の持つ、魔獣を操った道具である。

『ひとつ聞きたい。それは、どこでてにいれたの?』

「あ、なんのことだ?」

そう言ってしらばっくれてくれても構わまないんだけどね。あなたが喋らなくても、喋ってくれるものなら他にいるし、ね。

とりあえず、彼の右手にあるそれは回収しよう。

『右手のものは、渡してもらうよ』

そう告げて、凍りついていた右手の中からそれを取り出す。氷なんて、自分で作った氷なら、関係ないのだ。これは、王都での仕事の中で見つけた。

手の中にあったものをじっくりと観察する。魔力のこもった笛。それが第一印象だった。

だが、効果としては犬笛の方がしっくりきた。嫌な予感がする。とある笛吹きの名前が浮かんだからだ。

『これで、バウルを操っていたの?』

男は無言を貫く、別に構わない。雄弁に語るものは男ではないのだから、ものは語り始める。

男がそれを拾ったことも、計画の何もかもだ。

ものに語りかけることができる私だけの特権である。

『…そう、ありがとう…次は、いいご主人に会えるといいね』

「なんだ?!だ、誰と話してやがる!てめぇは一体誰なんだよ!!」

私はくるりと後ろを向き、こうつぶやいた。

『これから、暗いところに行くあなたには、関係のないことですよ』

そのまま、歩き出す、後ろの雑音は、無視して、彼はこの後すぐさま、捕縛された。私の知ったことではないが、後日、ギルド員が教えてくれた。




戻ってみると、三者三様の壊し方をしていた。

【ハイエナ】は、大技一点張り。ただし、討伐証明部位が粉々になっている。金の方は二の次のかもしれないが、罵り合いに発展しているところを見ると金の方が、大事らしい。多分一番の出費は彼らだろう。

武器の修理費が一番かかることは間違いない。もしかしたら新調する必要があるのかもしれない。

【グロウ】は素直にハンマーで叩いている。ちなみに確率は、半々といったところだ。今後にこの戦いは生かせるのか、何を生かし何を反省すべきか、きちんとみんなで話し合っている。いい傾向だと思う、個人の弱点を見つけ、お互いに補うのがチームなのだから。

【アサルト】はリーダーとそれ以外で全く別の方法で取り出していた。

リーダー以外の面々は火でその部分だけとかしていた。労力的に俺が一番なのだが、技量が求められるため、実はそこそこ難しい。炭に変えてしまっては元も子もないのだから、今のところ失敗はひとつもないようだ、すごい集中力だと思う。

リーダーは違う。その剣技で、部位を切り落としていた。いくら、スキル瞬剣があるからといって、本人の技量がなければここまではできないだろう。ブツブツと何やら今回の戦いの反省点を述べている。突撃バカが治ればいいのだが、それはチームの問題だろう。私が関わることではない。

結果、一番稼いだのは【アサルト】、次が【グロウ】、一番稼げなかったのは【ハイエナ】と私だ。

まぁ、別に気にしてないんだけどね。授業料ってことで諦めましょうか。別に今日稼げなくても、一日二日でなくなるような金遣いしてたわけじゃないし、そんなに逼迫ひっぱくしているわけじゃないし、何より。

伝えなくちゃいけないこともできたし、ね。

一応、有効無効範囲の設定に詳しく設定できたのは声がきこえてたからで、一応伝えようとはしてたんですよ。

計ったように邪魔してくる方々がいたため、伝えられませんでしたが

8/18追記もっと具体的に、との書き込みがあったのですが何が具体的ではないのでしょうか

考えうる限り修正していきたいと考えてはいますが、これは違うだろ状態になっているのかもしれません。コメントください

また改行がおかしいとのことですが、これでもいいかなと考えていたのですが、読めない文だと言われたので修正していこうかと考えており、今回修正しての反応待ちとします。そのあいだに、スキルの説明か次の話を投稿したいと思います。

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