簡易撮影
霊体を信じますか?
部屋の入り口に脚立を立ててビデオカメラをセットすると
「よし!」
と、録画ボタンを押し、俺は布団に入った。
事の始まりは、単純だ。子供の運動会の撮影用に充電していた6時間連続撮影可能のバッテリーが、今日の雨で使われず終いになってしまったのだ。
昼間に使おうかとも思ったが、夜、自分が寝ているトコロを撮影して映ってはいけないモノが映ったら面白いかなと思ったのが、きっかけだった。
そして今、俺は自分の部屋の入り口に脚立に立てたビデオカメラを自分の方向に向け、録画の準備を行うと、録画ボタンを押して布団に入ったのだった。
俺の部屋は六畳一間で角に入り口がある。ちょうど入り口と対角線上の角にテレビが置いてあり、俺はそのテレビの前に布団を敷いて寝ている。
ビデオカメラで録画を行っているせいか、何か視線を感じるような気がして、なかなか眠れない。しかし、人間というモノはすごいモノで、目を閉じじっとしていると、やがて寝てしまうのだった。
しかし、今日はヤケに眠り難かった。夜中に何度も目を覚まし、その度にもう一度眠り直した。
朝、目が覚めた俺はビデオに映った映像を確認する事にした。ワクワク感と、ハラハラ感が交錯していたが、少し早送りで、映像の確認を行った。
ビデオの映像を見始めて俺は背筋が凍りつくような感覚になった。しかし、映像から目が離せなかった。最後まで映像を確認した俺は、冷や汗をバカみたいにかいて、その映像を即消去した。
俺は今見たものを忘れる事にした。いや、忘れないと頭が狂ってしまいそうだった。
映像には、テレビに反射して写るビデオカメラの横に裸足で白い服というか布をまとった女が、じっとバッテリーが切れるまで、俺を見ていたのだった……。
「お祓い……に……行かなくっちゃ………」
俺はフラフラと部屋を出て行った。
短過ぎた?




