お見合いの準備
次の日の夜、歩美からお見合いを申込んだ男性の中で、もう1人OKの返事が来た。これで、歩美に申込んできた3人と、歩美から申込みをした2人とのお見合いが決まった。他の男性からの申込みは全て断ることにした。中には年収が30歳で800万円を超える人もいて、興味はあったが、これ以上は会えないと思いお断りをした。
お見合いが決まった人とは、それぞれ日程を決めることになった。歩美は互いが日程の候補を出し合って、上手く決められるか不安であったが、意外とスムーズに決まった。全員とスムーズに日程調整ができたことで、歩美は少し肩の荷が下りた感じがした。
まあ、これも書道部の顧問だからよね。
歩美はそのようにも思っていた。体育会系の部活なら土日も試合がある場合が多い。その点、書道部はたまに大会があるくらいで、普段の土日に出勤する必要はなかった。毎月1回くらいのペースで、土曜日に集まることはあったが、これなら仕事と婚活を両立できそうだ。
最初のお見合いは、翌週の日曜日に決まった。昼過ぎに1人、夕方に1人であった。昼過ぎに会うは、ナオキさんという銀行員の方だ。年齢も近く、写真を見る限り笑顔が爽やかだった。夕方の方は、ノリヒロさんといった。IT系の会社に勤務しており、知的なイメージだった。会うのが楽しみな反面、ちゃんとしゃべることができるか、歩美は不安だった。
歩美の不安は、忙しい生活でしばらく解消されていた。高校では毎日色々なことがあった。歩美の高校は、比較的落ち着いた高校で、すごく進学校というわけではなかったが、生徒たちは大人しく、勉強も真面目に取り組む子が多かった。保護者からのプレッシャーもあまりなくて、これが小学校や中学校ならまたそういう大変さもあっただろうなと想像していた。
お見合いの日の前日になって、歩美は初めてどんな服装でいこうか悩み始めた。それまでにも薄々服装を考えないととは思っていたが、前日が土曜日だから先延ばしにしていた。結局、結婚相談所のカウンセラーの優奈に電話して、少しアドバイスをもらってから神戸三宮に行き、良さげなワンピースを購入した。
婚活って、お金かかるなあ。
今回はワンピース1着だけを購入したが、今後も色々と準備するものが出てくるのを想像すると、歩美は少し暗い気分になった。
家に帰ってから、歩美は夕食を軽く食べた後、結婚相談所からの注意事項を読んだ。ほとんどが男性向けの注意事項で、歩美は「男性ってどんなんだろう?」と不安になった。だが、麻衣からは婚活で出会った男性を悪く言う話はなかったので、まあ大丈夫かと思い直した。
夜も更けてきたので、歩美はベッドに入ったが、この日は眠りに入るのがいつもよりも遅くなった。




