第407話「密室、赤と金……」
「あれとあれが対象だね」
「……首輪なしか」
「だね」
サラティスを送り届けそのまま目的の階層までやってきた。
「終わりだな」
魔獣の首が宙を舞い落ちる。
オドゥゴルグが魔獣の首をその剣で刎ねた。
「オドニイ上」
「むっ」
「これで片付いたかな」
オドゥゴルグの意識の範囲外から魔獣が飛び掛かってきた。
フェナクの声にてオドゥゴルグは魔獣を迎撃しようとしたが、邂逅は果たされなかった。
「そのようだな」
魔獣が二つに裂けオドゥゴルグに到達する前に地に落ちた。
フェナクの風魔術により、魔獣が二つに裂けた。
「……こいつも首輪なしだな」
オドゥゴルグが魔獣の死骸を燃やす。
「うん。時間も問題なしだね」
「……そういえばあれはどうなんだ?」
「……あ、彼女?」
「ああ。足手まといがいた割には時間通りだからな」
「オドニイはどう思ったの?」
「……俺は魔術に詳しくない」
「でも恋する視線を送っていっ、いったー」
フェナクは頭をさする。
「移動速度は最低限あるくらいだ。俺が把握したのは」
「最低限って、子供だよ?」
「……」
「因みに恐らくだけど、魔力の量はうちの誰よりも多いと思うよ」
「……あいつよりか?」
「たぶん。レクラット家で一番多いあ……今はオドニイか」
「抜かすな。死んだ訳でもあるまいに」
「そう。レクラット家で二番目に魔力量のあるオドニイより多いのだけは間違いないね」
「使った魔術か?」
「全部」
「おい」
それは説明の放棄に近い。
「まず、彼女たぶんだけど身体強化使ってるね」
「だから子供の体ながら、俺たちについてこれたか。リステッドの秘術か?」
魔獣を統べるレクラット。
これはレクラットの血が為せるもの。
リステッドも同様に血のみが可能にさせる魔術があると聞く。
詳しいことは当然知らないが、特別な身体強化魔術であるということは表になってる。
「違うんじゃない?あれって確か当主しか使わせないらしいよ」
「らしいだろ」
「でもとりあえず身体強化を使ってる。常時だよ。常に魔力消費をしてるんだよ。まぁ、攻撃魔術に比べたら消費魔力は圧倒的に少なくてもだ。そして、その状態で魔術を無詠唱で平行して複数使う」
「使ってたのは初級だったろ」
「使ったのはね。使った魔術が初級で上級魔術を使ったのと同じ結果を出せる?」
「……そうか」
「魔力が多いから、多少無茶な使い方もできるしね。それ以上にすごいのは発想力だと思うけどね」
「騒がせたからか?」
「納得したよ。普段の使い方がああだから、きっとあの発表に辿りついたんだと思う」
「ふっ。お前とどちらが上だ?」
「……」
「おい。詰まるところではないだろう」
思わず睨みつける。




