表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/229

第3話「宿屋の娘」

 サラティスには記憶があった。

 それはサラティスという赤子ではなく別の人間の。

 ネイシャはある田舎の宿屋の娘として生まれた。

 宿を手伝い、幼馴染のレクスルと一緒に遊ぶ日々を過ごしていた。

 ある日、宿に珍しい客が来た。

 戦士や魔術師などが集う戦闘集団だった。

 魔族との戦いが本格的になり戦うために北に向かう旅をしていたそうだ。

 ネイシャの母が指先を怪我し、うっすら血が出た。

 その時魔術師が回復魔術で怪我を治した。

 村には魔術を使える人間がいなかったため初めて見て感動した。

 面白がった魔術師が試しにやってみるか?とネイシャに回復魔術を教えた。

 魔族は魔法が使える。

 人間は魔法が使えない。魔族に比べると魔力が少ないからだ。

 人間でも魔法が使えるようにと開発されたのが魔術だ。

 必要なのは魔力、魔術式の知識。

 魔術式を用意し、そこに魔力を流しこむことで魔術は発動する。

 ある程度熟練すると、魔術式を理解し、詠唱と呼ばれる呪文と紐づけることで、詠唱のみで魔術を発動できるようになる。

 詠唱のみで魔術を発動できるようになると一人前の魔術師として認められる。

 ネイシャはここで魔術に目覚めた。

 後になって発覚したことだがネイシャは魔力の量が非常に多かったのだ。

 魔術師もネイシャに才能を見出し魔術を習うことを進めた。

 ネイシャには七つ年上の兄がおり、宿は兄が継ぐため魔術を習うために家を離れることが許された。

 紆余曲折あり、レクスルと共に村を出た。

 それが始まりであり、気づけば仲間と共に魔王を倒し英雄と呼ばれるまでに至った。

 ネイシャは聖女ネイシャと呼ばれ魔術の天才、特に回復魔術におていは大陸最高と謡われた。

 回復魔術は他の魔術に比べ多くの魔力が必要になる。

 切り傷を治す程度なら不要だが、切れた腕を繋げるなど難易度の高い魔術には医学の知識も必要になる。

 切れた腕を一時間で治すことができれば、国有数の回復魔術師と称賛される中ネイシャは数秒。

 戦場で味方を次々治し、結果聖女と呼ばれるようになった。

 魔王にとどめを刺したのはレクスルだった。

 ネイシャのチームは戦士、魔術師、狙撃手、鍛冶師、情報収集の五人で組んでいた。

 その内二人は戦闘要員ではない。

 魔王は最後の最後に呪いとも言える置き土産を残していった。

 近くにいたレクルスとネイシャは魔法をかけられた。

 その結果二人は後にこれが原因で命を落とした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ