第291話「特殊体質?」
そして三人のいる部屋に戻る。
「アルバンドスの革です。アルバンドスの革はとても帯電性が高いです」
サラティスはハンカチサイズの四角い、赤みがかった革をごしごしとこすり合わせる。
しばらくして、自分の髪の毛に近づける。
「あ、髪が動いたわ」
サラティスの髪の毛がそわそとわ、数本革の方へともぞもぞ動く。
「はい。これが静電気という現象ですね。これは革がこすれた時に電気が溜まったのです。さっき言ったように、人間の身体にも電気がたまったりします」
「それで金属に触れたらバチってなるのかしら?」
「そうです。雷魔術もそれを利用してます」
「つまりマリーさんに雷球が寄ってくのは、今髪の毛が動いたのと同じ原理ってこと?」
「分かりません。人間の身体が雷魔術に影響するなんて聞いたことないですからね」
「わ、私健康体ですので、心配なさらないでください」
「ですよね。別にお肌も革みたいじゃないですしね」
「でも誰かに寄ってしまうのなら、何か対策しないとダメね」
「うーん確かに」
「さ、サラティス様?」
「何でしょう」
「わ、私昔、どこで聞いたか忘れてしまいましたが、雷魔術の攻撃を防ぐのにより強力な雷魔術を使えば、そっちに飛んでくから防げるって話を聞いたことあります」
「なるほど、てことは座標自体を雷魔術で指定するようにすれば……いける?……マリー」
「は、はい」
「マリーのお話が役立ちそうです、ありがとうございます。そして迷惑かけてごめんなさい」
「と、とんでもありません」
「それにしてもやはりマリーは流石です」
サラティスはマリーの頭を撫でる。
「お仕事頑張ってください」
マリーは戻っていった。
「そういえばサラちゃん、声の方はどうでしたか?」
「あ、完全に忘れてました。あれ?でも聞こえたような」
「実験再開ね。まず声が聞こえる事の方が先だものね」
「ですね」
実験をやり直す。
「『聞こえますか?』」
エステリアの声を包み、隣の部屋に。
「『聞こえますか?』」
「サラ!」
「はい、聞こえましたね」
「でもエスちゃんの声じゃないように聞こえるわね」
「確かに、少しばかり声が元の声より高く聞こえますね。雷の性質が何かが、影響を与えてるのかもしれません」
そして同様にエステリアの元へ。
「せ、成功ってことですよね?」
「そうですよーお二人のお陰です」
今日はひたすらこれを繰り返し記録を増やしていった。
全ての実験において声を届けるということは成功した。




