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第198話「ごちそうさま」

「これ単に果実に塗りたくって固めてもこうはならねーな。よく考えたな」

「ケイト!さすがです」


 サラティスはぎゅーっとケイトを抱きしめる。


「さ、サラちゃん!」

「ちなみにどうやって思いついたんだ?」

「サラちゃんはスープ好きでしょ?だから最初はお菓子じゃなくて、スープで何かできないかって考えたんです」


 ごちそうさまである。だがダヴァンは大人なので口には出さない。


「でもお肉、お魚、野菜、どれも美味しくなくて……」


 ソース程度に少量つけるのであれば、美味しくなる可能性はあるがスープは厳しいだろう。


「で、果実をやってみたんだけど、果実がぐちゃぐちゃに溶けてソースや菓子の生地に使うには美味しかったけど、これを食べるはちょっとなーって感じだったんです」

「はーん。で、果実を煮込まないでくぐらせたって訳か」

「天才じゃないですかー」


 サラティスはケイトの頭をくしゃくしゃと撫でる。

 何より、自分のために試行錯誤してくれたことが嬉しい。

 それからいろいろな果実をョモナモルにつけて食べた。


「難点は掃除と火をつけ続けないといけない点だな」

「そうなんですよね。火力調整しないと、熱すぎて食べれなくなるんですよ」

「なるほど。火力ではなく、一定温度を保てれば済む?温度だけを維持なら使える……接地を……」

「でお前さんは菓子職人にでもなるつもりか?」

「やっぱり力は求められてないですかね?」

「だな。将来的にはジェリド様が本家になるわけだしな。緊急事態ならともかく、平時はそういった荒事は求めないと思うぜ。酷な話になるが一番はサラティス様を支えてくれになるんじゃねーのか?」

「分かりました」


 二人はサラティスが呟き始めたので片づけを進めながら会話にふける。


「そういえば、お前さんも学園に行くのか?」

「はい、僕はひとまず五年で卒業を目標に」

「そうか。まずはやりたいこと見つけることだな」

「そういえば、サラちゃん試験勉強はしてるの?」

「はい?」


 聞き捨てならない単語を耳にし、世界に戻ってきた。


「ケイ、試験て何ですか?」

「へ?」

「あーサラティス様はそうか……」


 これは完全にセクド、アレシアの失態である。

 ジェリドが学園に入学してから、サラティスも家庭教師の勉強は卒業していた。

 既に学園卒業までのレベルに到達しているため、好きなことをやらせようの方針であった。

 そして、さまざまな偉業にトラブル。

 誰も入学前に試験があることを教えてなかったのである。

 入学前の試験とは、国語、数学、歴史、地学、自然科学、一般教養、魔術教養の七つが出される。

 レベル的には平年一学年の終了レベルが出る。

 入学前にどれだけできて、進学前にどれくらいできるようになったか分かるようになっている。


「ちょっと何もしてないですよ!お父様に聞いてきます」


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