第15話「直談判」
三人はセクドの仕事部屋に向かった。
「おとうさま、サラティスです。おしごとちゅう、たいへんもうしあけありません。すこしおじ……」
「どうしたんだい?って珍しい組わせだね」
サラティスは言い切ったことがない。絶対に途中でドアが開く。
セクドは三人を部屋に入るよう促した。
「で、用事とは何かな?」
「おねがいがあります……」
森でワイルボロルを一体狩猟したいことを伝えた。
「だめだね」
「なんでですか」
「危ないからだね。ジェリドもワイルボロルとさしなら難なく倒せると思うよ。でもね、森ではだめだね。何が起きるか分らない」
大人ですら命を落とすのだから。
「お父様、俺がサラティスを守るから」
「わたしもなにかあれば、かいふくまじゅつでなおします」
「二人ともだめだよ。……父としては了承したい気持ちもある。でも、領主として頷くことはできない。今度ついで仕留めるよ。それじゃだめなのかい?」
「だめです」
「……」
サラティスとセクドはお互いを見つめあう。
「セクド様、俺がついてくじゃだめか?」
「?……何企んでる?」
「企んではねーよ。ただ、俺が命かけて二人の安全を確約しようじゃねーか。別に奥に行くわけじゃない。ワイルボロルなら森の手前にもわんさかいるだろ」
「……はぁ……分かった。二人ともダヴァンの指示に従うこと。できなかったらもう二度と許可しないからね」
「ありがとうございます!」
「サラティスとジェリドは下がりなさい。ダヴァンはちょっとだけ残ってくれるかい?」
硬い表情をするべきであろうセクドだが、内心満面のサラティスを見て癒されていた。
サラティスとジェリドはお辞儀して部屋を出る。