第143話「再会」
ダヴァンが駐留所に向かい、サラティスはディスィリシアが貸してもらっている個室に向かった。
「ディスィリシアさん、元凶は騎士によって捕縛されました」
「あ、ありがとうございます……」
ディスィリシアの手は震え、涙が零れる。
ディスィリシアの見た目はかなり良くなっていた。
きちんとした食事、睡眠がとれ改善した証拠である。
「恐らくですが、ディスィリシアさんは騎士に保護されるかと」
「……」
「もし、罪に問われるようならば私はディスィリシアさんに味方します」
一連の事件にディスィリシアに一切責任はないが、実行したのはディスィリシアである。
「そして、もし無事に釈放されてタイメイで暮らしにくければ、うちに来てください。歓迎します」
ディスィリシアはこくこくと頷く。
「あ、そうだ」
サラティスは思い出したかのように鞄にごそごと手を入れ、小さい木箱を取りだす。
木箱を開け、中身を取りだす。
「……サラティス様、それは?」
「魔石です」
サラティスは魔力を込める。
これはディスサルから受け取った魔石。
サラティスはふと思ったのであった。
戻ってから領地にて子供を探していた。
だがディスサルは魔族だ。
探している妹は既に成人している可能性がある。
魔石は青白く点滅する。
そして、部屋一面が白い光に包まれた。
「……」
「サラティス様?大丈夫ですか」
「ごめんなさい、大丈夫です」
まさかこんな光るとは思わなかった。
「サラティス様おさがりください!」
視界が戻るとサラティスの近くに人影が見えた。
ディスィリシアとは別にである。
「ハルティック待ってください」
「……ここはどこだ?」
「お久しぶりですね、……ディスサルさん」