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第141話「素朴な疑問」

 三人を運び店の入り口から外に出ると既に店員が通報したのだろう、騎士が四人構えていた。


「武器を捨てろ」

「騎士さん、私はサラティス・ルワーナ・リステッドです」

「なっ」

「この人は私の護衛です」


 騎士達は戸惑う。

 商会に暴漢が出たという話であったが、貴族がいて傍には護衛。

 これでは大分事情が違ってくる。


「お話聞かせてもらえますでしょうか?」


 分かりやすく敬語に変わる。


「王宮の第三騎士団隊長のヨノスと話がついてる。あいつに身柄を渡す」

「第三騎士団」


 騎士達の顔が険しくなる。

 第三騎士団の主の業務は騎士団の取締。つまり犯罪行為をしている騎士を調べ逮捕する騎士である。


「詳しく話を聞かせてもらえますでしょうか?」

「ああ。こいつは一部の騎士と結託して人間攫って無理やり奴隷にして鉱山で働かせてたんだよ」

「な、」


 開いた口が塞がらない。

 到底信じることができない内容である。


「ひとまず、二人か三人でここの店押さえた方がいいぜ」

「お前たち、行け」

「わ、分かりました」


 三人は急いで店の中に入っていった。


「どうする?詳細を話していいがここだと耳がありすぎると思うが」


 騒ぎを聞きつけ見物人が集まってきている。


「同行願えますか?」

「あーあいつ待ちだな」


 すると騎士達が獣牽車のようなものを牽いたホンスと共にやってきた。


「ダヴァン殿ですか?私はヨノス隊長の命を受けた第三騎士所属のミラッタです」

「やっときたか。こいつらだ」 


 第三騎士の騎士達が三人を担ぎ獣牽車の中に運び込む。


「サラティス様、あれは犯罪者を運ぶための獣牽車だな」

「そんなのがあるんですね」


 実に丁寧なことである。


「ヨノス隊長がお話を聞きたいと仰っていたのですがご同行お願いできますか?」

「あー待ってくれ。ひとまず主人を預けてからでもいいか?」

「承知しました。では後ほどここの駐留所にお越しいただいても?」

「ああ分かった」


 二人は一度大将の店に戻ることにした。


「ダヴァン、ちょっといいですか?」

「なんだ?」

「ヨノスさんが隊長ってことにびっくりなんですけど、隊長と団長って違いは?」


 モグレンヴァの身内は団長と呼ばれていた。


「ああーそうか。ならまずはこっちからだな」


 王宮には王直属の騎士達がいる。

 騎士達は十の団に分かれてそれのどれかに配属される。

 その団のトップが隊長である。

 領主の下に騎士達がいる。

 騎士達は同様いくつかの団に分かれてどれかに配属される。

その騎士のトップが団長である。

 王宮の騎士と区別するためにそう使い分けているだけで、違いという違いはない。


「サラティス様、無事で何よりです」

「おう、小僧ずいぶん早いお帰りだな」

「ハルティック、心配かけました」

「大将、助かった。とりあえず決着ついた」

「大将さん、彼女は?」

「ああ。二階の奥の部屋にいるぜ」

「諸々ありがとうございました」


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