第103話「マリーの秘密」
サラティスの日々は忙しく過ぎて行った。
ササモの成長が順調で暫くすれば、本格的にお菓子として領内で販売が始まる。
粉砕機も完了した。
販売価格は一台百二十万フェル。
さすがに、草刈り機に比べると売れていないようであった。
一番買ったのは恐らくリステッド領であり、サラティスは申し訳ない気持ちになった。
領のお金がサラティス個人に入ってくるのだから。
マリーの秘密に迫ったり。
「マリー、前髪邪魔じゃないの?」
サラティスが初めてマリーを見た時から、こうであったので疑問に思ったことはなかった。
だが、改めて意識すると気になって仕方がない。
「邪魔じゃないですね」
「その前髪のせいで転んだりしてるんじゃないの?」
「いえ、実は見えないわけじゃないんです」
「へー」
「それに、前髪のお陰でマシになったんです」
「どれくらい?」
転び、壊す。
現状がマシということは本領を発揮したら一体どうなることやら。
「もう二度としないですけど、い、家を少々……」
「壊したの?」
「住めなくなりました……」
サラティスは触れないことに決めた。
綺麗さっぱり忘れることにする。
他の人であれば、大袈裟だと笑い飛ばせるが、普段のマリーを知っていれば、寝言などではないことが分かる。
作品へのブックマーク、評価等誠にありがとうございます。
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作品の質問とは少し離れるのですが、質問が来ていたので活動報告にて返信させていだきました。
嬉しいことに、稚拙ではありますが作品を見て創作してみたいと声をいただきました。
誠にありがとうございます。また創作(公開しないもの)に決まりは一切ないと思うので、気のまま、自分の好きな創作活動、応援しております。