第100話「魔術具の相談」
作品へのブックマーク、評価等誠にありがとうございます。
宜しければまだしてないという方はブクマ、評価是非お願い致します。
お陰様で100話到達しました。
サラティスは庭の芝生の上に寝ころんで、空を眺めていた。
「魔人、魔人ですかー……」
先んじて孤児院にいる子供の情報を貰った。
魔人はいないそうだ。
レスティア族と人間の間に生まれた子だ、見た目から判断するのは難しいだろう。
髪色などの容姿は待ちなのでそれを期待したい所だ。
「ま、ま、魔人です、きゃ」
ごろん。
否、ずしん。
サラティスは立ち上がり、マリーの擦り傷を治す。
「あ、ありがとうございます」
「いえ、どうしたんですか?そんな慌てて」
「そ、その魔人と聞こえたんで。ま。魔人を探しているんで、ですか?」
いつになく慌てている。
そういえば、マリーも黒髪である。
前髪で顔を隠しているで、瞳の色は分からない。
「単純に、王都には魔族の方を多数見ました。でも、魔人はそういえばあまり見たことないなーと思っただけです」
「な、なるほど。……サラティス様は魔人は怖いですか?」
「いいえ。魔族とだって仲良くしているのよ?怖くなんてありません」
「そ、そですか。あ、ワイビー様が屋敷の方にいらっしゃいました」
「ありがとう。いくわ」
サラティスは立ち上がる。
ワイビーに魔術具の相談の内容の手紙を送っていた。
シェリーからのアドバイスで、手紙に具体的な魔術式や内容を書くなと念を押されていたので、相談の内容だけを書いた。
そしたら直接の方が早いとワイビーがやってきた。
今回はワイビー一人であった。
応接室にいたワイビーを調理場に連れて行く。
「お、サラティス様と……誰だ?」
「ワイビーさんです。魔術具の専門家です」
「ああ、てっことはあれか?」
「そうですね」
ずばり、今回作りたかったのは調理器具である。
「ダヴァン、お願いします」
「あいよ」
ダヴァンは真新しい粉砕機を持ってきた。
「ワイビーさん、これは豆や硬いものを粉にする時に使う器具です。これを魔術具にしたいのです」
「なるほど。あまり興味は湧かないですが、聞きましょう」
一瞬ダヴァンが鋭い目をしたが、ワイビーは気付かなかったようだ。
「まず、魔術式はこれです」
「おお。やはりさすがですね……無駄がなく、綺麗すぎる……」
紙に書かれた内容をワイビーはまじまじと見つめる。
何故既にある器具をわざわざ魔術具として作るのか。
それは、これから先ササモ事業の効率化のためである。
アレシアが約束通り粉砕機を買ってくれた。
それをサラティスも使ってみたが、いろいろ気付いたことがあった。
個人が使う分には問題ないが、連続、大量にとした場合改善した方がいいのではと思ったことがある。
まずは、それなりに力がいること。
安物ではないため、ハンドルをくるくると回せば粉になるが手動である。
長時間やると絶対疲れてしまう。
そして、器具の洗浄。
これも意外と面倒であった。
魔術具でこの二つを解消できると思ったのだ。
「擂り潰すのと、粉を飛ばす。うんうん、確かにこれなら洗浄せずに済む……」
「どうですか?」
「そもそも、お手本になる物があるのですぐできるかと」
「お願いできます?」
「はい、物自体はそこまでですが、魔術式が面白いのでやってみますよ」