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僕は彼女を好きじゃないけど、彼女が僕の事を好きだから付き合っている。

作者: 七瀬






『ごめん待った?』

『いや、僕も今来たところだよ』

『良かった』





僕は彼女の事が好きじゃない。

僕が本当に好きなのは、“元カノだ!”

僕は一方的に元カノからフラれてしまう。

元カノからは、他に好きな男ができたという理由で別れるしかなかった。

まだ僕は元カノに未練が残っている。

そんな時、彼女が僕の傍に近づいてきた。

「失恋」したばかりの僕は心身共に疲れ切っていた。

弱った僕から何か臭いでもしたのだろうか、、、?

ニコニコ笑顔で彼女が僕に話しかけてきたからだ。




『すみません、ココいいですか?』

『・・・あぁ、別にどうぞ』

『どうかしましたか?』

『えぇ!?』

『・・・涙が出てますよ』

『あぁ、目にゴミでも入ったのかな、』

『それならいいんですけど。』

『心配かけてすみません。』

『・・・いえ、私でよければ話し相手になりますよ』

『えぇ!? いいんですか?』

『はい。』






彼女はその時、僕の話し相手になってくれた。

それから僕と彼女は仲良くなり、付き合う事になった。

付き合った理由は? 彼女からのアプローチを僕が断り切れなかったからだ。

彼女はずけずけといつも僕に何でも言う女だ。

だから僕が未だに、“元カノ”の事を好きな事も知らない。

僕が彼女の手を握る時も、ハグをする時も、キスをする時でさえ僕は元カノ

の顔を思い浮かべながら彼女にする。

彼女は何も知らずに僕を受け入れる。

僕はそんな彼女の事を何処かで“都合のいい女”として見ていたと思う。

彼女の【本心】を知るまでは、、、?




『翔也はいつもじょせいの事を思い浮かべて私にキスするの?』

『えぇ!?』

『知らないと思ってた?』

『・・・・・・』

『ごめんね、言わないって決めてたのに...。』

『・・・い、いや、』

『本当ごめんね、今言った事忘れて!』

『・・・そ、そんなの無理だよ、』

『そうだね、ゴメン、』




彼女は何もかも知っていて僕に何も言わなかっただけだった。

そんな彼女の気持ちも知らないで僕は彼女をどこかで見下していた

のかもしれない。

僕は物凄く自分が恥ずかしくなった。

【ホント、カッコ悪いな、】






今の僕はまだ彼女の事を好きじゃないけど......?

いつか、ちゃんと彼女を好きになると決めている。

彼女に相応しい男になって彼女の隣に僕はずっと居たい。

別れは出会いのはじまりだ。

“元カノと別れたから今の彼女と出会う事ができた”

今度は僕が彼女を幸せになる!

僕も彼女もふたりで一緒に、、、。

今日もニコニコ笑顔の彼女に出会う。

僕は自然と彼女の事をほんの少しずつだけど好きになっていると気づいた。





『一緒に帰ろう』

『うん』

『手を繋ごう』

『どうしたの、急に?』

『いいだろう、帰るよ』

『うん。』



最後までお読みいただきありがとうございます。

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