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第94話 キースの作戦


アルトと一角黒豹ホーンパンサーとの距離が空いた瞬間、間にキースが割って入った。


「キース!?」


「アルト、こっちへ。」


その隙にレシェンタがアルトの服をちょいちょいと引っ張り、少し離れた所へ誘導する。


「で、でも、あのままじゃキースが…」


「任せて大丈夫よ。エメラとコハクがついてるから。」


レシェンタが指した方向へとアルトが目を向けると、少し離れたところにエメラたちがいた。それぞれ風と土の魔法で、キースを助けたり一角黒豹ホーンパンサーを足止めしたりしているようだ。


それを見て安心したアルトは、レシェンタに向き直る。


「わかったよ。それで、どうしたの?」


「あのね、アルトが気づいたあれ――一角黒豹ホーンパンサーの後ろ脚の、飾りみたいなもの。あれを壊すことにしたの。」


「えっ?」


「あの一角黒豹ホーンパンサー、魔法か何かで操られているみたいなの。それで、まずは一番疑わしいあの飾りを壊そうってことになったのよ。」


「えぇっ!?」


驚くアルトを落ち着かせ、先ほど皆とした話を掻い摘んで説明するレシェンタ。


「万が一攻撃が外れて一角黒豹ホーンパンサーに当たっても、多少の怪我なら私が治せるわ。テナには悪いけれど、他に手がないのよ。あの一角黒豹ホーンパンサーも苦しんでいるみたいだし、何かに操られているのなら、早く解放してあげたいの。」


レシェンタの真剣な眼差しに、ゴクリと息を呑むアルトと、神妙にしているテナ。


「……わかった。テナも、いい?」


「にゃあ。」


「わかってくれてありがとう。」


アルトとテナの返答に、ほっと胸をなでおろすレシェンタ。


「それで、キースが立てた作戦なんだけど―――」



「お待たせ、キース!」


「よぉ、アルト。レシェンタから話は聞いたな?」


「うん。」


「よし、んじゃいくぜ…っ!」


キースの作戦、その第一段階は――


「――いくらAランクの魔獣でも、体力も魔力も無尽蔵じゃない。まずは、詠唱なしで魔法が使えるアルトと直接攻撃の俺とで連携して、一角黒豹ホーンパンサーを疲れさせる。レシェンタたちはなるだけ力を温存しておいてくれ。でも、ヤバい時はサポート頼むぜ。」


実際、魔法を連発していてレシェンタはそこそこ消耗していた。コハクも表情にこそ見せないが、久々に戦って疲れが出はじめている。



キースの予測通り、アルトとキースを一度に相手している一角黒豹ホーンパンサーの動きは、目に見えて鈍ってきていた。威力を押さえた魔法や峰打ちによる攻撃で、大きな怪我こそないものの、かなり疲れてきているようだ。



そのタイミングを見計らって、キースが大声で叫んだ。


「レシェンタ、今だ!」


すると、詠唱を終えて合図を待っていたレシェンタが魔法を放った。


【閃光】(フラッシュ)!!」


レシェンタの構えた杖の先がカッと強い光を放ち、周囲は真っ白な光に包まれた。

読んで下さってありがとうございます。


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