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第87話 新たな依頼

「この先です。以前はあのあたりにガルザの群れが確認されていたのですが…今では見ての通りです。」


彼が指した方向、木々の向こうには岩場が見える。


「わかった。アルト、頼むぜ。」


「うん…【魔力感知】。」



今回はギルドからの特別依頼ということで、森の調査に同行しているアルト達。


なんでも、アルトとキースが出くわしたガルザの群れに関する調査で、進展があったらしいのだ。

もともとガルザたちが縄張りにしていた森の奥の岩場周辺――そこに何か別の魔獣が棲みついたことで、縄張りを追われたガルザたちが周辺に散ったのだという。


ただ、その魔獣の姿はまだ確認されていない。


ではなぜ“魔獣”と断定されたのか。

それは、調査隊のうち数名が“何か”に襲われたためである。彼らは一命を取りとめたものの重体には違いなく、今もまだ意識が戻っていない。

そのため証言はとれなかったが、彼らの身体や荷物には爪で引き裂かれた、あるいは牙で噛みつかれたような形跡が残っていたのだ。



このままでは調査どころではないと、上位冒険者に調査隊の護衛を頼むことになった。

調査隊のメンバーも、森に入る以上は冒険者でいうDランクかそれ以上の強さをもつ者たちだった。が、今回の相手には歯が立たなかったのだ。


そこで護衛として白羽の矢が立ったのが、アルト達だった。


冒険者であるキースの知識と経験、宮廷魔導士であるレシェンタの知識、アルトの【魔力感知】、そして全員の“強さ”。加えて、以前に件のガルザと遭遇したという点。

これ以上の適任はいないということで、ギルマス直々の依頼だった。



「どうだ、アルト。」


「うん。岩場の奥の方に、強い魔獣がいるよ。数は1体だけ。たぶん、この間の剣大蛇スパーダスネークと同じか、それよりも強いかもしれない。」


「てことは、相手は恐らくAランクの魔獣だろうな。Sランクってのは、桁違いに強いらしいから。」


アルトとキースの言葉に、様々な反応を見せる調査隊のメンバー。

【魔力感知】という魔法に驚きを見せる者、Aランクの魔獣と聞いて身震いする者、信じられないと目を白黒させる者…


「Aランク1体なら、私たちでどうにかできそうね。行ってきましょうよ。」


「おいおい、相手が何の魔獣かもわからないんだぞ。」


わくわくした様子を見せるレシェンタをたしなめるように、言葉を返すキース。


「考えていても始まらないし、ここで戦うよりはマシでしょう。調査隊の人たちを守りながら戦うとなると、さすがにこの人数じゃ厳しいと思うわ。それに…」


言葉を濁したレシェンタは、キースにだけわかるように、一瞬だけアルトのカバンに視線を向けた。

従魔として登録されているテナはともかく、精霊であるエメラとコハクの存在は、ギルド職員でもある調査隊の人たちには知らされていない。


いざという時に精霊たちの力を借りるのならば、彼らに見られないところで戦う必要があるのだ。


「…それもそうだな。アルト、お前はどう思う?」


「僕もレシェンタさんに賛成かな。誰かを守りながら戦うっていうのはやったことがないから…ちょっと心配だよ。」


「正しい判断よ、アルト。慣れないことをぶっつけ本番なんかでやるものじゃないわ。人や物を護衛しながらの戦い方は、今度練習しましょう。」


アルト達だけで行く方向で話が進んでいたため、調査隊のひとりが遠慮がちに問いかけてきた。


「あ、あの…本当に行かれるのですか?」


「はい。あ、このあたりには他の魔獣はいないみたいだから、安心して待っていてください。」


(((違う、そうじゃない。)))


にっこりと笑って返事をするアルトに、調査隊のメンバーは冷や汗を流しながら心の中で突っ込みを入れた。


「っし!んじゃ、行きますか。」


ニカッと笑ったキースの言葉に、アルトとレシェンタは頷いた。

読んで下さってありがとうございます。


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