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第77話 領主夫妻

アルト達がレカンタの街に戻って少し経った頃、一行は大きな屋敷の前に佇んでいた。


「わぁ!大きなお屋敷だね。」


「まさか俺がここに来る機会があるとはな。」


「素敵なお庭ねぇ。」


「にゃあ。」


「ここが…」


「ほらほら、もう十分驚いたでしょ?お待たせしちゃ悪いから、中に入りましょう。」


屋敷の大きさに圧倒されて門の前で固まっていた一同を、中へと促すレシェンタ。


ここはレカンタの街の領主の屋敷である。いち冒険者でしかないアルト達に領主への目通りが叶ったのは、他でもないレシェンタのおかげだった。


宮廷魔導士であり、直近の仕事で領主夫妻からの信頼も得ているレシェンタの紹介だからこそ、これだけあっさりと訪問が許されたのだ。


立派な門をくぐって広い庭を進んでいくと、屋敷の扉が見えてきた。そこには執事らしき男性が立って待っていた。


「お待ちしておりました。レシェンタ様と、お連れ様でいらっしゃいますね。どうぞ、ご案内致します。」


「ありがとうございます。」


領主からは街まで迎えの馬車を寄越すと申し出があったのだが、レシェンタはそれを丁重に断っていた。


中も広い屋敷内をキョロキョロと見回すアルト達。テナとエメラ、コハクはアルトのカバンに入っている。


執事に案内された部屋には、すでに領主夫妻が待っていた。

座るように促されて座ったアルト達だったが、ソファがあまりにもふかふかしていて驚くアルトとキース。

その間にレシェンタがアルト達の紹介を済ませてしまったので、アルト達は慌ててお辞儀をした。


「領主様、奥方様、お待たせしてしまい、申し訳ございません。」


「いやいや、そんなことはないよ。私たちがせっかちだっただけなんだ。」


頭を下げるレシェンタに倣うアルトとキース。しかし、領主はそれを慌てて遮る。

レシェンタの言っていた通り、心根の優しい人物なのだろう。


「そうよ。気になさらないで、レシェンタさん。この人ったら噂の冒険者に会えるんだって今朝からずっとソワソワしっ放しで…」


「ちょっ…言わないでくれないか。」


「だって本当のことでしょう。」


うふふ、と口元を隠しながら笑う領主夫人。鈴を転がすような声や上品な仕草もさることながら、その美貌にしばし見惚れるアルト。

レシェンタも美人だが、領主夫人からは気品というか、人を惹きつける独特な雰囲気を感じた。


それと同時にアルトは、彼女から魔力も感じた。先祖であるフランチェスカ姫が精霊と契約していたというだけあって、彼女もマギアの力を受け継いでいるのだろう。


「あの、噂というのは…?」


遠慮がちに尋ねるキースに、朗らかに答える領主。


「ああ、もちろんいい噂だよ。最近できたBランク冒険者二人のパーティーが、物凄い実力だってね。特に、若い方の冒険者は最近では珍しいテイマーだって聞いていたからね。」


若い方の、と視線を向けられたアルトは、ビクッと身構える。


「そう言えば、手紙にあった従魔くんは、連れてきていないのかい?」


「え、あ、連れてきては、います。えっと…出してもいいんですか?」


領主に問いかけられ、少し慌てるアルト。


「ああ。テイムされているのなら、襲われはしないだろう?」


「も、もちろんですっ!」


領主の質問に、バッと顔を上げながら即答するアルト。あまりの必死さに一瞬キョトンとした領主だったが、すぐに顔を綻ばせた。


「なら大丈夫だ。見せてくれるかい?」


「あ、はい。テナ、出ておいで。」


「……にゃあ?」


カバンから出て伸びをし、小首を傾げるテナ。その様子に、微笑まし気に表情を綻ばせる領主夫妻。


一角黒豹ホーンパンサーの子供の、テナです。」


「ほう…とても綺麗な毛並みだね。見せてくれてありがとう。テナ君がもっと大きくなったら、主人のアルト君はもっと活躍するんだろうね。君たちの活躍、今後も楽しみにしているよ。」


「「あ、ありがとうございます。」」

読んで下さってありがとうございます。


誤字脱字、読みづらい等ありましたらご指摘くださいm(__)m

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