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第72話 アルトの提案


レシェンタの言葉を聞いたアルトは、少し考えていた。


「にゃあ、にゃ?」


肩に乗ったままだったテナに小突かれて、慌てて顔を上げるアルト。


「あ、テナ…うん、ちょっと考え事をしてたんだ。」


「考え事?」


「うん。あのね…」


アルトがエメラの問いに答えようとしたところで、痺れを切らしたのか土の精霊が会話に割って入った。


「それよりも、早く首飾りを受け取ってほしい。私はもう、十分待った。いい加減、フランチェスカとの約束を果たしたい。」


「そっか……ねぇアルト、受け取ってあげたら?貰って困るものじゃないんでしょ?」


ふたりの精霊から見つめられ、たじろぐアルト。


「君の気持ちはわかったよ。でも…僕がこれを貰っても、身に着けることもできないし、ただ仕舞い込むだけになると思うよ。せっかくこんなに素敵な首飾りなのに。渡すなら、せめて女の人の方が…」


そう言ってアルトはレシェンタの方をチラリと見るが、レシェンタはぶんぶんと首を振った。


「私だってそんな高級品、身の丈に合わないわよ。使う機会もないしね。」


「だから、僕以外のもっと相応しい人に渡すのはだめかな?」


土の精霊は俯きながら、ポツリポツリと話す。


「フランチェスカは、この首飾りを“大切にしてくれる、心の優しい誰か”に渡してほしいと言っていた。“相応しい人”なんて言ってなかった。それに、そんな人間が他にどこにいる?100年も待って、やっと出会えたのがあなた達なのに。」


「その、僕も考えてみたんだけど…領主様と奥さんに見せちゃだめかな?」


「「「「え?」」」」


土の精霊、エメラ、キース、レシェンタの声が綺麗に揃った。


「えっと、領主様たちはその首飾りをずっと探してるんだよね。だったらせめて、見せてあげたい。それで渡すかどうかは、実際に領主様たちと会って、君が決めればいいよ。」


アルトの言葉に、じっと考え込む土の精霊と他の面々。


「私が直に会って受けた印象だけど…領主様も奥方様も、とても穏やかで優しい人だったわ。まずは彼らに会って、首飾りを見せるかどうかもあなたがその場で決めればいいんじゃないかしら。」


「そうよ。あなたも精霊なら、姿を消して顔を見るだけってこともできるでしょう?一緒に行ってみましょうよ。」


「にゃあ~!」


レシェンタとエメラ、テナもアルトの提案を後押しする。先ほどのこともあってキースは黙っているが、うんうんと頷いている。


「…………わかった。」


長い沈黙の後、土の精霊はようやく首を縦に振った。


「その領主夫妻が心優しい人たちだったら、首飾りを見せるし、大切にすると約束するなら渡してもいい。ただ、そうでなかったら…アルト、その時はあなたに受け取ってほしい。」


結局そうなるのかと思ったアルトだったが、ここまで言われて断るのも悪いな、とも思ってしまった。


「うん、わかったよ。その時は、ちゃんと大切にするからね。」

読んで下さってありがとうございます。


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