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第66話 ダンジョンへ

「よし、行くか。」


「うん!」


「ええ。」


アルト達が受けた依頼は“キテシャだけ10本の採取依頼”だった。

キテシャ茸は青白く光るキノコで、この近くにある洞窟型のダンジョン内に自生している。



「さぁて、到着だ。」


「ここが?へぇ…見た目は案外普通なのね。」


キースが示す先にあるのは、一見すると何の変哲もない洞窟だ。レシェンタが若干拍子抜けしているのも無理はない。


しかし、アルトはダンジョン内部から感じる魔獣の気配を敏感に察知していた。それはエメラとテナも同様のようで、皆真剣な顔つきだ。


「ああ。このダンジョンには何度か入っているから間違いない。」


「え…キースあなた、まさか一人でダンジョンに入ったの?」


怪訝な顔をするレシェンタに、食い気味に否定するキース。


「なわけあるか!いろんなパーティーの臨時メンバー募集依頼で同行したんだよ。これでもBランク冒険者だから、結構頼りにされたんだぜ。」


「へー、凄いわね。」


どこか得意げなキースに対し、興味なさそうに棒読みで返事をするレシェンタ。

アルトとエメラは、先の剣大蛇スパーダスネークとの戦いでキースの知識や作戦に助けられたため、純粋にキースのことを凄いと思っているのだが…



「道中説明した通りだが、念のためもう一度確認しておく。これがダンジョンの地図。んで、目的のキテシャ茸の群生地はこの辺りだ。」


キースの指す地図を見ながら、記憶通りの情報にうんうんと頷くアルト達。


「このダンジョンで出てくる魔獣は大抵D、E、Fランクの奴らだ。通常の俺たちなら、楽に倒せるだろう。」


“俺たち”というキースの言葉に、アルトはレシェンタの方をチラリと見た。自信たっぷりに頷いている様子から、光魔法が得意だという彼女は戦闘の術も持っているようだ。


「ただし、ここのダンジョン内は基本的に左右も天井もそんなに広くないから、外よりも制限のある戦いになる。舐めてかかって痛い目を見た冒険者は少なくないからな。気をつけろよ。」


「うん、気をつけるよ。」


「聞いてた通りね、大丈夫よ。」


「にゃあ!」


「任せといて。」


全員の返事を確認し、ニカッと笑うキース。


「大丈夫そうだな。あと、何か質問とかあるか?」


「あ、じゃあついでに私からもアルト達に確認ね。今回のダンジョンは洞窟型だから、炎魔法は極力使わないこと。あと、ダンジョンが崩落するといけないから、大規模な魔法も禁止。いいわね?」


「うん。ちゃんと覚えてるよ。ありがとう!」


「ええ。気をつけるわね。」


「にゃあ~」


レシェンタの問いかけに、元気いっぱいに頷く一同。その微笑ましい様子に、クスリと笑みをこぼすレシェンタ。


「よし!じゃあ行こうか。」

読んで下さってありがとうございます。


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