第65話 次の依頼
ギルドの前で待っていたレシェンタと合流し、個室のある料理屋で食事をすることにしたアルト達。
個室を選んだのは、アルトが一躍有名人になってしまったためだ。
「ところでキース、次はどんな依頼を受けるの?」
料理が運ばれるのを待つ間に、レシェンタがキースに話を振った。
「まだ決めてないが…どうしてレシェンタがそんなこと気にするんだ?」
「ちょっと!次の冒険からは私も同行するって決めたわよね?忘れたとは言わせないわよ。」
むっとした表情で噛みつくレシェンタに、苦笑いを浮かべるキース。
「あー…あれ本気だったのかよ。」
「当たり前でしょ。この通り長期外出の許可も貰えたから、こっちは問題ないわ。」
そう言って書類を見せるレシェンタ。
「わかったわかった。相変わらずこういう時は行動早い奴だな…そんじゃ、よろしくな。」
「えっと、よろしくお願いします。」
キースに続いて、アルトもぺこりと頭を下げる。
「こちらこそ、よろしくね。」
丁度いいタイミングで料理が運ばれてきたため、「食べながら話そう」と促すキース。
「次の依頼だがな、具体的には決めてないが…ダンジョンに行ってみようと思う。」
ダンジョンと聞いて、口いっぱいに料理を頬張ったままアルトは目を輝かせる。話に聞いただけだったが、いつか行ってみたいと思っていたのだ。
「ダンジョンに?」
首を捻りながら尋ねるレシェンタ。
「ああ。アルトの魔法のカバン…マジックバッグとでも呼ぶべきか?あれをどこかのダンジョンで手に入れたことにしたいんでな。魔獣の素材集めかキノコ類の採取か、手頃な依頼があれば受けようと思ってる。」
「なるほどね。いいんじゃないかしら。3人だけだとダンジョンで魔獣に囲まれたときが不安だけど、力強い味方が他にもいるものね。」
そう言って、机の端でお菓子や料理を食べているエメラとテナにウィンクをするレシェンタ。
「ええ、任せておいて。」
「にゃあ!」
「僕、ダンジョンって初めてだから楽しみだよ。あ、ええと…楽しみです。」
ようやく口の中のものを飲み込んだアルトが、会話に参加する。しかし、レシェンタもいるので慌てて言い直した。
「ふふ、私に対しても、キースと同じ話し方でいいわよ。呼び方も“レシェンタ”でいいわ。その方が楽でしょう。」
「ええ?いや、ちょっとそれは…ううん…じゃあ話し方は普通にするけど、呼び方は“レシェンタさん”のままでいさせてほしいな。あと、レシェンタさんこそ僕のことを“アルト”って呼んでよ。」
アルトの意外な返答に、目を丸くするレシェンタ。
「アッハッハッハ。アルトはこう見えて、案外頑固だからな。ほどほどの所で折れてやれよ、レシェンタ。」
キースの言葉に納得したのか、肩をすくめるような仕草をするレシェンタ。
「わかったわ。ところでアルト、ダンジョンに行くのは初めてって本当?」
「うん。」
「それじゃあ装備なんかはしっかり揃えないとね。あと、ダンジョン内での魔法の使い方や注意点に関しても、先に教えておかなきゃ。」
「それ、私も聞いておいてもいいかしら?」
「にゃあ!」
「もちろんよ。」
話に交ざってきたエメラとテナに、快く返事をするレシェンタ。
「装備の方は俺に任せておけ。また買い物しながら教えてやるよ。」
「うん!よろしくね、キース、レシェンタさん。」
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