第43話 従魔とテイマー
従魔とは、テイマーの使役する魔獣のことである。
では、テイマーとは何なのか。
マギアの中には、稀に魔力の相性が良い特定の魔獣とならば意思疎通が可能な者がいる。そして特殊な契約魔法を行使することによって、その魔獣と契約し“従魔”として使役することができる。
そういう者は俗に“テイマー”と呼ばれる。
しかし、人間であるマギアと魔獣との間で信頼関係を築くことは、容易いことではない。また、成長した魔獣は制御が難しく、テイマーの力量によっては手に負えなくなることもある。
場合によっては元従魔の牙によって命を落とすテイマーもいる。
そのため、テイマーの数は減少傾向にある。近年では一箇所のギルド支部に四人いれば多いくらいだと言われている。
ちなみに、従魔をもつテイマーは必ずギルドにその旨を届け出なければならない。
「テイマー…か。俺は初耳だな。」
Bランク冒険者として活動していながら、そんな存在を知らなかったことに驚きを隠せないキース。
「それは無理もないでしょう。あなたが拠点にしている当ギルドには、現在テイマーの方は所属していませんから。」
「あー、なるほどな。で、どうする?アルト。」
「おいおいキース、お前ちゃんとダンテの話聞いてたか?テイマーは危険が伴うと言ったろ?」
キースのあまりに軽い問いかけに、慌てて物申すギルマス。
「もちろん聞いてましたよ。でもそれは、テイマー側の実力が足りなければって話でしょう。アルトならその心配はないと思うんで。」
「それはそうだが、もうちょっとお前……はぁ、まあいい。で、アルトはどう思うんだ?」
キースのあっけらかんとした様子に呆れるギルマス。
「うーん…あの、“従魔を使役”って具体的にはどんなことをするんですか?」
「魔獣次第だが、馬のように乗ったり荷を運ばせたり、戦闘に参加させたり…ってのが一般的だな。ま、人を襲わせるとか犯罪に関わるようなことでなきゃ、特に規定はないはずだ。“従魔”なら今みたいに、街に連れて入っても大丈夫だ。」
街に連れて入っても大丈夫――その言葉に、アルトの気持ちは揺れた。
「そうなんですね。えっと…テナ。君はどうしたい?」
「にゃあ?」
「僕の従魔に、なってくれる?」
アルトは遠慮がちに右手を差し出しながら、テナに問いかける。
「にゃあ!」
元気よく返事して頭突きのような仕草をするテナ。その額がアルトの手に触れた瞬間――
アルトの右手の甲とテナの額がパアァッと淡く輝き、それぞれに同じ形の印のようなものが浮かび上がった。
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