第21話 ランク
2/14 はじめの会話部分を修正しました。また、ガルザのランクに関して加筆しました。
「アルト、ひとつ頼みがあるんだが…倒したガルザを一頭、譲ってくれないか?」
「それは構いませんけど…一頭でいいんですか?先にガルザと戦っていたのはキースさんですから、もとはキースさんの獲物ですよ?」
アルトは目をパチクリさせながら尋ね返した。
「いや、一頭で十分だ。一応ギルドに報告するのに、証拠として持って行くんでな。」
手柄や報酬などには無頓着な様子のアルトに苦笑いしながらも、そういえばアルトは冒険者ではないのだったと思い直すキース。
「念のため言っておくが、今回の件、本来ならアルトの総取りなんだぜ。俺は連中に襲われてただけだし、死ぬ寸前だったんだからな。魔獣の素材は割と高く売れるから、こういう時はちゃんと自分の取り分を主張しろよ。」
「わかりました!ありがとうございます。」
(ホントにわかってんのかねぇ…)
「あの、魔獣が高く売れるって本当ですか?」
「ん?ああ。肉は食えたり食えなかったりだが…牙や爪、角、骨、鱗、毛皮なんかは武器や防具の材料になるからな。武器屋やギルドで買い取ってもらえるんだ。」
思っていたよりも色々なものが売れると知って、アルトは驚いた。
「そうなんですね。それじゃあ、これなんかも売れますか?」
そう言ってアルトが指すのは、先ほどまでキースの布団代わりにしていた数枚の毛皮。
「ん?こいつぁ…斑熊に青翠狼の毛皮じゃねえか!こいつらの毛皮は珍しいから高く売れるはずだが…どうしたんだ、これ?」
キースの様子から、本当に珍しいものなのだとわかる。アルトは取っておいた毛皮が高く売れると知って、内心ほっとした。
「以前、腕試しに狩った獲物の一部です。いずれお金に替えられたらいいな、とは思っていたんですけど。」
「(一部?)なるほどな。しかし、こいつらもアルト一人で狩ったのか。どれもCランク以上の魔獣のハズなんだが…」
手を顎に当てて、毛皮をまじまじと見ながら話すキース。
「ちょっとすみません。気になっていたんですけど、その“Cランク”とかって何ですか?」
「ん?ああ、言ってなかったっけか。」
キース曰く――
冒険者はその実力に応じてランク分けされている。
一番上がSランクで、その下にA、B、C、D、Eと続き、一番下がFランクである。
パーティーを組んでいる場合は、よほど突出した者がいない限り、パーティー単位で昇格していくことが多い。ごく稀にだが降格もある。
ちなみにキースはBランク。
魔獣も同じようにランク分けされており、A~Eランクの魔獣は同じランクの冒険者パーティー(4~5名程度)が倒せるくらいの強さ。
Fランクの魔獣には“Fランク以下の弱い魔獣”も含まれている。
逆にSランクの魔獣は“計測不能”レベルに強いことが多々あるため、大人数あるいは複数のパーティーで挑む必要がある。
ただし、魔獣のランクはあくまでも目安である。魔獣にも個体差があり、また単体か複数かでも討伐の難易度は変動する。
今回戦ったガルザは、単体ならばCランクの魔獣だが、事前の準備も情報も無しで8頭の群れを相手取るとなると、Bランク以上の冒険者パーティーでなくては対処は難しいだろう。
「そんな風に分けられているんですね。教えてくれてありがとうございます!」
「ランク分けねー。人間って面白いこと考えるのね。」
「駆け出しの冒険者なんかが実力に釣り合わない依頼を受けちまうと、命に係わるからな。ま、中には誰かさんみたいに、ランクなんて無関係にどんどん魔獣を倒しちまう奴もいるみたいだが。」
「?」
アルトは首を傾げ、誰かさんって誰だろう。キースさんの知り合いかな?などと考えるのだった。
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