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第183話 巻物の中は

アルトたちの元へと戻ったキースは、発見した巻物をレシェンタに見せた。

真剣な表情で、巻物の端々まで目を走らせるレシェンタとアルト。そしてその様子を、後ろから興味深げに覗き込む精霊たちと従魔たち。


「見たところ、ただの絵みたいね。」


巻物に描かれていたのは、一見すると風景画――――木や小川といった普通の景色であるが、その随所に星が散りばめられたような、どこか幻想的な一枚の絵であった。


「とってもキレイな絵だね!」


「ふふ、そうね。」


アルトの素直な感想に、ふっと表情を緩めるレシェンタ。


「でも特に魔力は感じられないし、残念ながらマジックアイテムじゃないわね。」


「そっかぁ。」


レシェンタの言葉に、落胆の色を見せるホルン。そんな彼女の頭をくしゃりと撫でながら、キースが豪快に笑う。


「気にすんなって!ダンジョン探索してりゃ、こんなことしょっちゅうだぜ?ところでレシェンタ、さっきの皿みたいなのはどうだったんだ?」


「そうそう、キースが隠し部屋で見つけたこの…円盤というか、石板?こっちもよくわからないのよ。マジックアイテムではないし、武器や防具の類でもなさそうなの。」


ふぅと小さく息を吐き、レシェンタは言葉を続ける。


「特殊な素材で作られているわけでもなくて、ごく普通の石材でできた、ただの円形の石板。強いて言えば、縁まで届く複雑な意匠の彫刻が凄いけれど…こっちの絵と同様、骨董品や美術品の価値は、私たちにはわからないものね。」


肩を竦めるレシェンタと、彼女に同意するようにそれぞれ頷く一同。


「ほらな。ダンジョンで見つける物が、必ずしも値打ちモンだとは限らないってことだ。」


「ふふ、そうみたいだね。」


キースの慰めに、クスリと笑みを漏らすホルン。


「とはいえ、隠し部屋の、それも仰々しい台座の上と中にあったんだ。価値がどうだろうと、石板と巻物(それら)のことは後でギルマスに報告しねーとな。」


「そうだね。じゃあ、とりあえず僕のマジックバッグに入れておく?」


そう言ってアルトは自身のマジックバッグを指した。


「助かるぜ。普通に持ち歩くには、こいつは結構重いからな。」


ずっしりとした石板をキースから受け取ったアルトは、想像よりも重いそれに目を丸くした。


「わ、本当だ。」


マジックバッグがあってよかったと笑い合いながら、一行は更に奥の階層へと進むことにした。

読んで下さってありがとうございます。


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